『スタンフォードの自分を変える教室』 【第1章レビュー】意志の力とはなにか

スタンフォードの自分を変える教室 』 ケリー・マクゴニガル (著), 神崎 朗子 (翻訳)を読みました。

本書の原文のタイトルは『The Willpower Instinct』です。

直訳すると、意志の力の本能になります。

意志の力は、目標達成にはかかせないものです。

意志の力と対極にあるのが、衝動的な本能です。

いかに衝動的な本能をコントロールしながら、意志の力を最大限に発揮するのかを知りたくて本書を手に取りました。

本書は10章からなる、トレーニングプログラムの形となっています。

1章から順に読み解いていくことで、意志の力をてなづける方法を身につけていきたいと思います。

まずは1章「やる力、やらない力、望む力」についてまとめます。

意志の力には3つの種類がある

人間は生物として生きていく本能とは別に、共同体の中で協力して生きていくために脳の機能を進化させてきました。

それが意志の力です。

意志の力は、多くの場合本能と相反するものです。

著者は意志の力を3つに分類しました。

  1. やる力:面倒だと感じても、それをやる力
  2. やめる力: 強い誘惑に打ち勝つ力
  3. 望む力:本能に支配されそうになったときに、本当に自分に必要なものを思い出す力

この3つの力は前頭前皮質の3つの領域が担っています。

著者は、人間の心には2人の自分がいると表現します。

本能に動かされる自分と、意志の力を使う自分です。

現代社会では、意志の力をうまく使いこなすことが成功を決めているといっても過言ではありません。

選択の瞬間を記録する

意志の力を強化するには、自己認識力を高める必要があると著者は述べています。

著者は、1日の終りに、自分が目標を達成するために行った、あるいは妨げた選択を振り返ることを薦めています。

自分の選択を振り返って認識することで、いい加減な選択の数が減っていくと説明しています。

ぼくは、タスク管理アプリを使用していて、すべてのタスクを記録するようにしています。

これを利用して、目標に沿った行動を行うとき、あるいは妨げるときの感情、コンテキストを、その場で記録しようと思います。

これは、過去を振り返るときに、もっとも正確な自己認識となります。

5分間の瞑想を行う

定期的に5分間程度の瞑想を行うことで、脳を鍛えて意志の力を強化することができると著者は強調します。

定期的な瞑想は、薬物、アルコール依存にも効果があることが、研究結果で示されています。

瞑想の方法はごく簡単です。

じっと座って、呼吸に意識を集中する、それだけです。

たった1回長い時間やるよりも、毎日5分を続けることが有効です。

ぼくは、音声による瞑想を最近取り入れています。

マインドフルネス 怒りが消える瞑想法』吉田 昌生 (著)の特典の音源を活用することで、音声ガイドに従うだけで、呼吸に集中する5分の瞑想を継続できています。

まとめ

意志の力は、現代社会において、自己実現のために重要な要素であることを再認識しました。

意志の力はトレーニングで強化できます。

その方法は、選択の瞬間を意識する(記録する)こと、5分間の瞑想を継続すること、の2つです。

さっそく本日から実施していきます。

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