『スタンフォードの自分を変える教室』 【レビュー】第4章 モラルライセンシング

スタンフォードの自分を変える教室 』 ケリー・マクゴニガル (著), 神崎 朗子 (翻訳)を読みました。

本書の原文のタイトルは『The Willpower Instinct』です。

訳すと、意志の力の本能になります。

意志の力は、目標達成にはかかせないものです。

意志の力と対極にあるのが、衝動的な本能です。

いかに衝動的な本能をコントロールしながら、意志の力を最大限に発揮するのかを知りたくて本書を手に取りました。

本書は10章からなる、トレーニングプログラムの形となっています。

1章から順に読み解いていくことで、意志の力をてなづける方法を見につけていきたいと思います。

4章「罪のライセンシング」についてまとめます。

モラルライセンシングとは

モラルライセンシングとは、なにかよいことをしたと感じたとき、そのあと相反する行動をとってしまうことです。

モラル上のよいことを行うと、人はいい気分になり、そのあとの自分の行動を信用しがちになるというのです。

そのため、正しさに対する判断があいまいになってしまいます。

これは意志の力が足りないからではありません。

なしとげたことに善悪の判断を下してしまうことに原因があります。

単にすることが難しいことと、道徳上の問題を区別すべきだと著者は解説します。

よいことをしようと考えただけでもモラルライセンシングが起こる

著者は、マクドナルドでヘルシーなメニューを加えただけで、ビッグマックの売上が驚異的に伸びるという現象を例にあげています。

ふさわしい行動を取る機会が訪れただけで、実際に行ってもいないのに、いい気分になって満足してしまうのです。

成功した自分をありあり思い描くだけで成功すると書かれた本があります。

ぼくも実際にやってみましたが、うまくいったことはありません。

失敗の理由は、イメージする力が足りないのではないかと思っていました。

しかし、本書を読んで、成功した姿を思い描くことで、成功した気分になってしまって、かえって努力をしなくなってしまうというのが原因ではないかと思いました。

選択は毎日行うことを想像する

著者は、ハワード・ラクリンという行動経済学者の理論を紹介しています。

行動を変えたいときは、日によってばらつきが出ないようにするのです。

佐々木正悟氏のブログでこのくだりを見たのが、本書をもう一度読みなおそうと思ったきっかけです。

人は先のことを楽観視してしまいがちです。

特に自分のことを意志が強いと思っている人ほど、将来は事態を挽回できると思い描きます。

それは残念ながら、相当困難なことなのです。

今日タバコを吸ってしまう自分は、明日も同じように吸ってしまうだろうと考えて、毎日同じようにタバコを吸うようにしていると、結果的に本数が減っていくのです。

何かの選択をするときは、今日だけだと考えるのではなく、明日も行うはずだと想像しなければならないのです。

まとめ

モラルライセンシングとは興味深い心理現象です。

なしとげたことに、善悪の判断を加えないことが重要だということに、とても興味を覚えます。

なしとげたことに、モラル上のよい価値を他人が与える場合もあり、善悪の評価は避けづらいことです。

その場合は、その結果ではなく、なぜそれをしたのかを考えることが大切であると、著書は実験結果とともに解説しています。

それは、常にその行動の目的を意識するということです。

3つの意志の力のうちの「望む力」を発揮することが重要だということがわかりました。