『スタンフォードの自分を変える教室』 【レビュー】第6章 どうにでもなれ

スタンフォードの自分を変える教室 』 ケリー・マクゴニガル (著), 神崎 朗子 (翻訳)を読みました。

本書の原文のタイトルは『The Willpower Instinct』です。

訳すと、意志の力の本能になります。

意志の力は、目標達成にはかかせないものです。

意志の力と対極にあるのが、衝動的な本能です。

いかに衝動的な本能をコントロールしながら、意志の力を最大限に発揮するのかを知りたくて本書を手に取りました。

本書は10章からなる、トレーニングプログラムの形となっています。

1章から順に読み解いていくことで、意志の力をてなづける方法を見につけていきたいと思います。

6章「どうにでもなれ」についてまとめます。

落ち込んだときの気晴らしには効果がない

米国心理学会の調査では、食べることでストレスを発散している人のうち、効果を感じているのは16%にすぎませんでした。

落ち込んだときに気晴らしを求めるのは、ストレスを回避する本能的なものです。

気晴らしで多くの人が求めるのは、報酬系を刺激するものばかりです。

報酬系は5章で学んだ通り、欲求を生みますが、喜びを与えるものではありません。

ストレスがじゃまをして、本当の解消法を判別できなくなるのです。

本当に効果があるストレス解消法は、エクササイズ、散歩、瞑想、マッサージなどで、ドーパミンではなく、セロトニンやオキシトシンを活性化させて、ストレスホルモンを減らします。

恐怖管理理論とは

死について考えることは、無意識に不安を感じ、私たちのなかには無力感を打ち消そうとする、やむにやまれぬ衝動が生まれます。

死を思い出すと、人は誘惑に負けやすくなることがわかっています。

楽しい気分になれることでほっと一息ついて、希望や安心感を得ようとするからです。

これが恐怖管理理論です。

無意識に恐怖や不安を感じることで、誘惑に対する欲求が増大するというものです。

タバコの警告表示は、かえってタバコへの欲求を促しているのです。

また恐怖管理によって、やらなくてはいけないことが先延ばしになります。

先延ばしとは、今何もしないという欲求を満たすことです。

自分の弱さを見つめることを避けることによって、先延ばしが起こっていると考えられます。

どうにでもなれ効果とは

失敗をしたときに、罪悪感や自己嫌悪の感情を持つことは、反動を起こし、2度目の失敗を引き起こします。

前の晩に飲みすぎたことを後悔した人は、その晩にまた飲み過ぎてしまうことがわかっています。

これがどうにでもなれ効果です。

どうにでもなれ効果を防ぐためには、自分をなぐさめる言葉がけが有効です。

ダイエット中の女性にドーナツを試食させたあと、もう一度お菓子を試食するという実験が行われました。

ドーナツを食べたあとに、ときには自分を甘やかすことも必要であること伝えたグループは、次のお菓子を食べた量が28gだったのに対して、何の言葉もかけなかったグループは70gと、明らかな差が出ました。

自分へのなぐさめの気持ちがどうにでもなれ効果を打ち消したのです。

いつわりの希望シンドロームとは

落ち込んでいるときの気晴らし戦略に、いつわりの希望シンドロームがあります。

これは、変わろうと決心することです。

落ち込んでいるときには、変わろうと思うだけで満足してしまいます。

大きな目標ほど気分はよくなります。

これは非現実な楽観といえます。

結局は期待感だけを味わって、そのあとの大事なことから逃げているので、その目標は実現しません。

実際に目標を達成するためには、悲観が必要です。

どんなときに失敗するかを想像し、そのための準備をするのです。

まとめ

ぼくは今まで、どうにでもなれ効果を最大限に発揮し、いつわりの希望シンドロームに毎回陥っていたと、つくづく考えさせられました。

そうならないための、2つの処方箋が明確に理解できました。

  1. 失敗しても自分に厳しく当たらないこと
  2. 悲観的に予想して準備すること(簡単に変わることはないと思う)

4章で学んだ通り、「明日も同じ行動を取る」と考えることが、1と2の考えを導き出す姿勢だと改めて思いました。