『スタンフォードの自分を変える教室』 【レビュー】第7章 将来を売り飛ばす

スタンフォードの自分を変える教室 』 ケリー・マクゴニガル (著), 神崎 朗子 (翻訳)を読みました。

本書の原文のタイトルは『The Willpower Instinct』です。

訳すと、意志の力の本能になります。

意志の力は、目標達成にはかかせないものです。

意志の力と対極にあるのが、衝動的な本能です。

いかに衝動的な本能をコントロールしながら、意志の力を最大限に発揮するのかを知りたくて本書を手に取りました。

本書は10章からなる、トレーニングプログラムの形となっています。

1章から順に読み解いていくことで、意志の力をてなづける方法を見につけていきたいと思います。

7章「将来を売り飛ばす」についてまとめます。

すぐに手に入れないと気がすまない

人類は将来について有意義な考え方のできる唯一の生物です。

しかし、それがゆえに、将来の自分はもっとかしこい選択をできるに違いないと考え、目の前にある誘惑に負けやすくなります。

経済学的には、現在得られる価値より、将来得られる価値を低く見積もってしまうことを、価値の割引率が高いと表現します。

なんと、チンパンジーに比べて人間の方が価値割引率が高いということを、実験結果が示しています。

今すぐおやつを2つもらうのと、2分待っておやつを6つ得られるという選択で、2分待ったのは、チンパンジーでは74%だったのに対して、人間は19%だったのです。

人間の目の前にあるものに対する報酬システムは非常に強力であることがわかります。

逃げ道をなくす

著者は、人間の目の前にあるものに対する報酬システムから逃れる方法として「背水の陣」を取る方法を紹介しています。

「背水の陣」を取るとは、自分が継続したいことについてあらかじめ逃げられないような手を打っておくことです。

それは、誘惑を自動的にシャットアウトする状況をつくっておくか、先に投資してしまって逃げられないようにするなどの方法です。

著者は、ネットの誘惑を自動的にシャットアウトするためちフリーダムというアプリを紹介しています。

例えば、運動を習慣にしたいなら、その人にとって高額と感じる額のジムの年会費を先に支払ってしまう、また歯医者に行くなら先に予約してしまう、などの方法を紹介しています。

私たちは、将来の自分に対しては、あたかも他人のように、ストレスを押し付けてしまうことを理解しておく必要があります。

バーチャル体験で将来の自分とつながりを持つことができる

では将来の自分にストレスを押し付けないようにするにはどうすればよいのでしょうか。

そのためには、未来へ行ってバーチャル体験をするのです。

将来のイメージを鮮明に描けば、脳はあなたの現在の選択が将来に及ぼす影響を即座にはじき出すと、著者は解説します。

ハンブルクエッペンドルフ大学医療センターの神経科学者たちは、将来について想像することは、欲求の充足を遅らせるのに役立つことを示しました。

しかも将来の報酬を思い描くのではなく、ただ将来のことを考えるだけで効果があるのです。

まとめ

チンパンジーと人間の、価値割引率の比較実験で、人間は、目の前にある誘惑に勝つことが難しい生き物であると改めて理解できました。

そのためには、あらかじめ背水の陣を打っておくこと、そして将来について常に考えることの2つが大事だとわかりました。

原田メソッドでは、未来のイメージを鮮明に描くことで、目標達成につながると教えていますが、その裏付けがわかりました。