『ハーバード医学教授が教える 健康の正解』 【コーヒー編 レビュー】

サンジブ・チョプラ (著), デビッド・フィッシャー (著), 『ハーバード医学教授が教える 健康の正解』を読みました。

著者は医学的に信頼性のある研究に基づいた結果のみから得られる、健康になるための「ビッグ5」を提唱しています。

その1つがコーヒーです。

コーヒーは、脳や心臓から歯にまでよく、全死因死亡率を男性10%、女性15%低くする、最強の飲み物なのです。

ぼくは、会社員時代は、コーヒーを1日5〜6杯は毎日飲んでいました。

飲み過ぎると多尿になるデメリットはありましたが、集中を保ったり、気分を一新するのに役立てていました。

会社を辞めてからは、逆に睡眠に悪影響になるというのを気にするようになり、最近はなるべく飲まないようにしていました。

ところが、本書を読んで、飲めるだけたくさん飲んだ方が体によいとわかり、またコーヒーをたくさん飲むようになりました。

『ハーバード医学教授が教える 健康の正解』 コーヒーは「がん」、「脳卒中」、「認知症」を予防する

2010年のアメリカ国立衛生研究所と全米退職者協会による、食事健康調査、男女約50万人を10年間以上追跡調査し、コーヒーを1日に4杯以上飲む人は、結腸がんになるリスクが16%低かったことを示しました。

紅茶を飲む人には効果は認められませんでした。

38,000人を対象とした日本の研究では、1日1杯以上のコーヒーを飲む人は、口腔、咽頭、食道がんを発症するリスクが1/2以下でした。

その他の研究結果を合わせると、コーヒーを常飲することは、原発性肝がん、結腸がん、皮膚がん、子宮内膜がん、転移性前立腺がんなどのがんと診断されるリスクを減少させることがわかっています。

ハーバード大学とマドリッド自治大学の共同研究で、看護師健康調査から収集したデータを用いて、コーヒー摂取量と女性の脳卒中との関連を調べました。

1日に2杯以上コーヒーを飲む女性は脳卒中リスクが19%低く、飲む量が多いほどリスクはさらに低くなりました。

この効果は紅茶では得られなかったのに、カフェインレスコーヒーを飲む女性についても、脳卒中リスクの低下が認められました。

つまり、コーヒーがもたらす効果は、カフェインの働きによるものではなく、コーヒーに含まれるカフェイン以外の成分によるものだと考えられます。

2009年の北欧の研究は、約1400人の20年にわたるデータを分析した結果、1日3〜5杯のコーヒーを飲む人は認知症またはアルツハイマー病と診断されるリスクが65%低かったとと報告しています。

運動能力の向上

コーヒーは頭の働きをよくし、体重を減らし、運動能力を高める効果もあります。

実際に、コーヒーは最近まで国際オリンピック委員会の規制薬物に含まれていて、アスリートは決められた少量しか飲めませんでした。

イギリスのスポーツ医学誌に掲載された2004年の研究では、400件の二重盲検試験のメタアナリシスにより、カフェイン入りコーヒーが運動負荷テストの成績を12パーセント向上させたことを明らかにしました。

あるメジャーリーグのクラブハウス管理人によると、集中力を保ちパフォーマンスを上げるために、試合中に6杯も飲む選手がいるそうです。

1日6杯まではOK、飲むのは夕方まで

コーヒーのデメリットはなんといっても覚醒効果で眠れなくなることです。

カフェインの体内での半減期は6時間です。

このデメリットを避けるためには夕方以降は飲まないようにすべきです。

著者自身はコーヒーは17時までとしているそうです。

コーヒーの効果はコーヒーの種類や、加工方法、淹れ方よって変わってきます。

また人によって適量は異なっており、飲みすぎるとイライラしたり、眠れなくなるようなら、飲み過ぎと判断できます。

コーヒーには1日の摂取推奨量というものはありません。

著者は、ハーバード大学公衆衛生大学院のロブ・ブァン・ダム博士の、体が適応できるなら、1日5、6杯のコーヒーを飲んでも悪影響はないとのコメントを紹介しています。

まとめ

睡眠について書かれた本では、カフェイン摂取は午後2時までに終えるようにと書かれています。

本書では夕方までに終えればいいと書いています。

ぼくは、コーヒーで眠れなくなるということはあまり感じない方なので、17時までに変更することにしました。

17時までだと、おそらく1日4〜5杯くらいは飲むことになり、本書で解説しているコーヒーの効果を最大限に享受できる量です。

コーヒーはカフェインだけでなく、その他の成分も効果を発揮しているということがわかりました。

夕方以降はカフェインレスコーヒーを飲むことで、その効果を得たいと思います。

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