サンジブ・チョプラ (著), デビッド・フィッシャー (著), 『ハーバード医学教授が教える 健康の正解』を読みました。
著者は医学的に信頼性のある研究に基づいた結果のみから得られる、健康になるための「ビッグ5」を提唱しています。
その1つが瞑想です。
瞑想によって、心の静寂を得るだけでなく、不安をなくし、集中力と記憶力を増し、学業や仕事のパフォーマンスを上げることができます。
そのため、AppleやGoogleなどの世界的大企業が、瞑想プログラムを導入しているほどです。
瞑想は宗教、スピリチュアルなイメージがありますが、著者は科学的なエビデンスのある効果的な方法として、瞑想を位置づけました。
『ハーバード医学教授が教える 健康の正解』瞑想の定義とは
アメリカ国立補完統合衛生センターは、瞑想を以下のように定義しました。
「平穏と身体のリラクゼーションを高め、心理的バランスを改善し、病気に対処し、全体的な健康と幸福を高める目的で用いられてきた心身療法」
瞑想にはたくさんの種類がありますが、以下の4つの共通項があることを著者は示しました。
- 静かな場所で行う
- くつろげる姿勢で行う
- 言葉、呼吸、物体などに集中する
- 自然体で雑念が浮かんでは消えるままに任せる
最近多くの企業で用いられるようになった「マインドフルネス瞑想」も、上記4つの共通項を含んでいます。
マインドフルネス瞑想では、呼吸、思考、周囲の注意を払います。
抗うつ薬と同等の効果
著者は、2014年にJAMAに掲載された、ジョンズ・ホプキンス大学の3,515人、47件のメタアナリシスを紹介しています。
マインドフルネス瞑想は、不安、うつの苦痛の軽減に対して、限定的に有効であり、一部の調査ではエビデンスが得られていないという結果でした。
それでも成功率の高くないうつ病治療においては、この効果はめざましいとの見解を、著者は紹介しています。
瞑想には副作用がないため、他の療法と自在に組み合わせることもできます。
成績、集中力が上がる
2013年サイコロジカルサイエンスに掲載された、カリフォルニア大学サンタバーバラ校が行った研究は、24人の大学生を2グループにわけて、それぞれマインドフルネス講座と栄養学講座を1回30分、週4回、2週間行った結果を解析しました。
マインドフルネス講座を受けた学生は、大学院進学適性試験の点数が平均466点から520点に上がり、集中、記憶のテストも向上しました。
一方で栄養学講座を受けた学生に変化はありませんでした。
これは、瞑想が脳のワーキングメモリー(作業領域と記憶力)を増強させるという証明です。
ワシントン大学が行った2012年の研究は、女性人事管理職45人を対象に、8週間のマインドフルネス瞑想を行ったA群、何も行わなかったB群、身体リラクゼーションを行ったC群のマルチタスクを比較しました。
A群は1つのタスクに取り組む時間が長くなり、A群とC群はタスクに関する記憶が向上しました。
瞑想はタスクへの集中力を高めたことが証明されました。
幸福感を高める
デビッド・リンチ財団は、「静寂の時間プログラム」を高校生に提供しています。
ストレスと暴力を軽減する目的で映画監督で有名なデビッド・リンチ氏が立ち上げました。
超越瞑想を15万人の生徒に対して行った結果、卒業率が15%向上、大学合格率が18%向上、テストの成績も10%以上向上しました。
デビッド・リンチ氏は、自らの超越瞑想の体験について「どうしようもなくしあわせと感じて、ますますしあわせになる」と表現しています。
著者も、超越瞑想を学びだした頃、同様の体験をしたことを述べています。
1回20分が推奨
著者は、瞑想を普段の生活に取り入れるには、1回20分が推奨され、必ずしも静かな場所は必須ではないという見解を紹介しています。
著者自身は、1日2回の瞑想を35年間実施しているそうです。
朝20〜30分、夜15分行っているそうです。
そして瞑想は、過去30年に身につけた習慣の中で、最良の習慣であると断言しています。
まとめ
ぼくは瞑想の習慣を持っていません。
最初から1回20分の瞑想は、自分には長すぎます。
まずは3分間の深呼吸をやろうと思って続けたことがありますが、続いていません。
瞑想の効果をまずは体感することで、またやろうという報酬が得られると思います。
まずは、瞑想の効果を体感できるようなプログラムに参加することを検討してみたいと思います。
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