孤独を克服するがん治療【レビュー3】 医師、病院とよりよい関係を築くためには

孤独を克服するがん治療〜患者と家族のための心の処方箋』押川勝太郎 (著) を読みました。

きっかけは、2018年11月24日に開かれた、ウェブ心理塾セミナー祭りで、押川氏のセミナーを聞いて感銘を受けたからです。(レビュー)

本書を読んで、今までぼくたちが持ってきたがんのイメージと、現在のがん治療の実体は、大きくかけ離れていることを知りました。

今回は第5章「 医師、病院とよりよい関係を築くために」の中で印象に残った部分をまとめます。

患者が主体であることを自覚する

医師は多数の患者を抱えているので、さぞ忙しいに違いないと思うあまり、遠慮をしすぎて自分の意見をきちんと伝えていない患者が多いと、押川氏は述べています。

患者のこのような姿勢は、医師、病院が主で、患者は従という、上下関係を患者が作ってしまっていることに原因があります。

このような主従関係では、患者はすべてを医師にお任せすることになってしまいます。

本来医療は、患者の回復をサポートする立場にすぎず、患者が主であるべきなのです。

患者が自分の状況を伝えなければ、適切な医療が受けられないのは当然のことです。

しかし、患者と医師の間には、情報レベルの溝があります。

医師は多数の患者を抱えており、必要な情報を効率よく入手したい、一方で患者はどの情報が治療に必要かわからないので、すべてを伝えたい。

ここにコミュニケーションのミスマッチが起こります。

押川氏はこのミスマッチを防ぐために、書面によるやり取りが必要だと強調しています。

患者は自分が困っていることとその理由を箇条書きにして、それを診療前に医師に届けておくのです。

可能ならスタッフに依頼して、電子カルテにスキャンしておいてもらうのです。

これによって医師は事前に患者の悩み、情報を得ることがてき、診察時には短時間で適切な対応ができます。

書面で渡すというのがポイントです。

セカンドオピニオンは使うべき

押川氏はセカンドオピニオンは患者だけでなく、医療側にもメリットがあるので、ぜひ利用すべきと述べています。

セカンドオピニオンを利用すると、相手の医師から担当医へ返書をもらえるようになっているそうです。

それによって医師は、他の医師や病院の見解を知ることができ、自分の病院の水準を客観的に把握することができます。

患者にとっては、別の意見を聞いたり、担当医には聞きづらいことも聞くことによって、さらに治療への理解が進みます。

ぼくはセカンドオピニオンを利用するのは、担当医はあまりよく思わないのではと勝手に思っていましたが、医師側にとってもメリットがあると知り、考えを改めました。

在宅医療のすすめ

在宅医療には多くのメリットがあり、見切りでもいいから早めに移行すべきだと押川氏は述べています。

自宅では、病院に比べて患者はより活動的になります。

活動的になることは、身体的、精神的にも治療に好影響を及ぼします。

また、いつでも担当の訪問看護師に相談できるというシステムは、非常に便利だと押川氏は評価しています。

在宅医療へ移行するにあたり、家族には、準備と覚悟が必要になります。

覚悟というのは、いつ何が起こるかわからないことを理解することです。

しかし、在宅医療に踏み切ると、家族の経験値が上がり、慣れていくと、押川氏は述べています。

まとめ

本書の第5章を読んで、あらためて患者主体の意識が重要であることがわかりました。

患者が主体であるという意識を持つことで、患者自らが病気について勉強したり、セカンドオピニオンを利用したり、在宅医療を利用するという、積極的な治療を受けていくことができます。