『できる人は感情の整理がうまい! 』佐々木 正悟 (著)を読みました。
時間管理のいい方法がないかとずっと探していました。
なぜなら、計画通りに進められないことに、日々不満を抱いていたからです。
最近「タスクシュート」という概念に出会い、「タスクシュートクラウド」というWebアプリと、「たすくま」というスマホアプリを使うようになりました。
これらのアプリはマニュアルを読んだだけでは使いこなせませんでした。
「タスクシュート」の考え方を理解して初めて使いこなせるようになったのです。
「タスクシュート」の概念とは、記録をもとにして計画を立てていくという考え方です。
他のタスク管理ではない考え方で斬新です。
これらのアプリは、今やっていることの記録をこまめに取ること、そしてそれをリピートタスクに自動的に組み込めること、ができるように作られています。
本書は「タスクシュート」の概念を、心理学的アプローチから理解を進められる本です。
タスク管理に関する部分で気づいた箇所をレビューします。
『できる人は感情の整理がうまい! 』目標を設定するとなぜやる気が出るのか
著者の佐々木氏は、目標を設定すると「意欲」が高まると述べています。
「意欲」とは、モチベーションのことです。
目標がハッキリすると、「意欲」が高まり、「気力」が集まります。
「気力」とは、実際の行動に必要なエネルギーです。
特に覚えておかなければならないことは、「気力」は総量が決まっていて、脳はその使用を厳しく制限しているということです。
目標がハッキリして「意欲」が高まっても、「気力」を他のことで使い果たしてしまっていては、行動することはできません。
行動に必要なのは「意欲」より「見通し」
実際の行動には「意欲」は必須ではありません。
必要なのは「見通し」です。
「見通し」があれば、「気力」を集めなくても、今ある「気力」だけで行動することができます。
どうしても行動できないときに、行動するために2つの方法があります。
1つは、「見通し」がつくくらいまで、行動を分解するのです。
本を1ページ読むという「見通し」なら誰でも立てられます。
2つ目は、とりあえずやってみるのです。
やっているうちに、「見通し」がつくことがあります。
ぼくのように、完璧主義に陥りやすい人には有効な手段です。
小さな背伸びを繰り返す
佐々木氏は、計画が実行できなかったのは、実行できなかった人がだらしないからではなく、そもそもできもしない計画を立ててしまったからだと述べています。
できもしない計画というのは、目標ばかりに目が行って、現在を無視することから生まれます。
カーナビに例えると、目的地は正確に登録しているが、現在地が正しくないという状態です。
現在地を知るためにはどうすればいいのでしょうか。
それは今やっていることを把握するのです。
ではそこからどのように計画をたてるのか。
ここが、ぼくにとってまったく斬新なのですが、過去にやったとおりに計画をたてるのです。
過去にやった通りに計画を立てるのであれば、計画など立てる必要はないのでは、と最初は思いました。
ぼくがタスクシュートのアプリを使って計画を立てた経験から述べると、「いつもやっていること」を計画として順番に並べると、より楽に「いつもやっていること」が進みます。
それは、計画を見ることで、次に何をやろうかと考えなくて済むからです。
次に何をやろうかと考えるだけで、脳は小さなストレスを感じていると実感できます。
また計画通りに進んでいると感じることで、不安を感じることがなくなります。
先日読んだメンタリストDaigoさんの時間術の本では、不安が時間感覚をゆがめると学びました。
そして、1日の多くの時間は「いつもやっていること」で占められていて、新たなことをやる時間は、思った以上に少ないということが、タスクシュートを実践してわかりました。
目標を達成するために、新しいことをやろうと計画を立てても、「いつもやっていること」をやめない限り、不可能なわけです。
「いつもやっていること」は習慣化された行動です。
長年かけてできた習慣は、そう簡単には変えられません。
だから、目標を達成するためには、いまの習慣を、少しずつ新たな習慣に置き換えていく必要があります。
それが「小さな背伸びを繰り返していく」ということなのです。
『できる人は感情の整理がうまい! 』まとめ
本書を読んで、タスクシュートの概念である、「今やっていること」を記録することの重要さがあらためてわかりました。
タスクシュートアプリの使い方はまだまだ不慣れで、記録し忘れることも多いですが、最終的にすべての時間を記録できるように使いこなしていきたいと考えています。