堀江貴文さんの『ゼロ』を読みました。
昨日、『嫌われる勇気』のブックレビューを書きました。
堀江氏は、『嫌われる勇気』に自分の考えがすべて書かれていると驚きをもって評しています。
特に「課題の分離」、「人生は連続する刹那である」、という部分に共感したそうです。
堀江さんはアドラー心理学に触れて、初めて自分の考えを体系立てて説明できる理論に出会った、と語っています。
そして『嫌われる勇気』の共著者である、古賀史健(こが・ふみたけ)さんは、アドラー心理学において『嫌われる勇気』が理論編なら、『ゼロ』は実践編だと堀江さん、岸見さんとの対談で述べています。
『ゼロ』は何度か読んでいますが、昨日『嫌われる勇気』を読んだばかりという状態で読むとどのように解釈できるかという観点で、再度読んでみました。
ゼロ 堀江貴文 ゼロに小さなイチを足すとは
ゼロに小さなイチを足すが、一貫として書かれているこの本のテーマです。
多くの人は、成功へできるだけショートカットしたいと考え、足し算ではなく掛け算を求めます。
堀江氏は30代のうちの大半を裁判と収監に費やしています。
そのことについて、今は誰かを恨んだり、悔やむこともなく、ありのままに受け入れていると述べています。
なぜなら、再びゼロに戻って新しいスタートを切ることができたからだと。
堀江氏は出所して一番やりたいことを聞かれたときに、「働きたい」と答えました。
堀江氏は働くことを通じて自分に足し算をしてきました。
仕事という足し算を通じて、いろいろなものから自由になったといいます。
堀江氏が掛け算を使うようになったのはずっと後になってからだといいます。
堀江氏は10代や20代の若者と同じスタートラインにたって地道な足し算をしていこうと語りかけています。
ゼロ 堀江貴文 成功の3ステップとは
堀江氏は下記の3ステップを着実に踏むことで、小さな成功体験が得られると解説しています。
- 挑戦 ・・・・・ リスクを選び、最初の一歩を踏み出す勇気
- 努力 ・・・・・ ゼロからイチへの地道な足し算
- 成功 ・・・・・ 足し算の完了
これはアスリートからビジネスマンまで、すべてに共通する話しです。
堀江氏自身がこのサイクルを高速回転させることで成長してきたと自負しています。
僕はここで勇気と努力という2つの言葉がキーワードであると考えました。
勇気とは、アドラー心理学でよく出てくる言葉です。
最初のステップが踏み出せないのは、僕も含めて多くの人が勇気がないからです。
アドラー心理学では、他者への貢献感を目的としたときに、この勇気が得られると解説しています。
次に努力という言葉です。
堀江氏は『ゼロ』以前の著書では、今までこの言葉を使ってこなかったそうです。
周囲の人から見ると堀江氏はとんでもなく努力をしているが、堀江氏自身としては努力しているという気持ちではなかったからです。
この状態を堀江氏はハマると表現しています。
ハマるという状態は、アドラー心理学でいう、連続する刹那を生きるという概念に近いと思います。
本書では明確に、ゼロにイチを足すのは努力しかない、と断言しています。
世の中には、簡単に成功を手にする=易行 がもてはやされています。
努力が不要と謳っているビジネスには、どこかにウソがあるのだと、僕は改めて思いました。
そして、堀江氏のように、努力と感じずにハマれることが、成功の秘訣であると感じました。
ゼロ 堀江貴文 シェアがほんとうの幸せを実感できる
堀江氏は今宇宙開発の事業を行っています。
堀江氏は、それはインターネットに取り組んだのとまったく同じ動機であると述べています。
宇宙事業を通じて、人類の可能性を拡張する「新しいインフラ」を提供したいという思いなのです。
仕事もお金も喜びも、それを独り占めしたところで心は満たされない、みんなとシェアするからこそほんとうの幸せを実感できる、と力説しています。
アドラー心理学でいう、他者への貢献を目指すことで、堀江氏は壮大な目標へ向かっているのだと、僕は考えます。
ゼロ 堀江貴文 まとめ
『嫌われる勇気』を読んだあとだからこそ、再度『ゼロ』を読んで心に響いたこと、それは以下の3つです。
- 一歩を踏み出す勇気
- ハマること
- シェアすること
そして、3つのことは、他者への貢献を感じること、連続する刹那を生きること、というアドラーが提唱する考え方から生まれます。
『ゼロ』はまさにアドラー心理学の実践編です。