『 これからを稼ごう 仮想通貨と未来のお金の話』堀江貴文 (著), 大石哲之 (監修)を読みました。
本書では仮想通貨の現状と将来について解説をしています。
ぼくは後半の「お金がいらなくなる社会」の部分に強く興味をもちました。
その内容をまとめます。
『これからを稼ごう』働かないと生活できないというのは思い込み
堀江貴文氏は、「人はもう働く必要はない」と何度も訴え続けています。
本書で堀江氏は、Google創業者のラリー・ペイジ氏も同様のことを発言していることを紹介しています。
我々が幸せになるための必要な資源はかなり少ない、今ある資源の1パーセント以下じゃないかと思うぐらいだ。多くの不必要な活動が、忙しさや環境破壊の元凶になっているんだ。
つまり、人類は働かなくても生活するための十分な資源をすでに手に入れているということなのです。
堀江氏は、これまでの歴史でお金の対価を求めて働き続けたせいで、お金のために働く、働かないと生活できない、幸せになれないといった誤った常識が固定化してしまったと解説します。
働かないと生活できなくなったのは、人類が農耕生活に入ってからだと、堀江氏はサピエンス全史の主張を引用しています。
産業革命以降は、本来は人は働く必要がなくなったのだが、安い賃金で働く人たちがいるから機械化が進んでこなかったと堀江氏は主張します。
ますますテクノロジーが進化した現代では、人間が汗水たらして働かないといけない場面はどんどん減っています。
ということはそのような労働の対価として求められてきたお金の出番が減っているということです。
お金の価値は相対的に下がっている
お金は、以前ほどにはありがたくなく、投じた手間や苦労をねぎらってくれるものではなくなっていると堀江氏は表現しています。
そしてノウハウやプレミアムなスキルなど、他の人が簡単には入手できないものを装備することが最強でモテると指南しています。
単なるお金持ちではモテない時代になってきているのです。
お金より価値のあるものは、社会にとって役に立たない事になっていくと堀江氏は予言しています。
なぜなら社会にとって役立つことは機械に置き換えられるからです。
貢献や、お役立ちの概念は刷新されようとしています。
人々の感情をゆさぶるものがこれからの貢献や、お役立ちです。
仕事は遊びになる
今後人間は、ロボットにはできず人間だけが出来ることをしないといけなくなります。それは遊びであると堀江氏は断言します。
生活のために働いている、家族のために働いているという言葉を、堀江氏は全く理解できないと述べます。
そして生活のために遊んでいる、家族を食べさせるために遊んでるという人生は夢想ではないと気づいてほしいと強調します。
通貨は単なる信用の媒介のツール
通貨は単なる信用を媒介するツールであって、その程度のものだと堀江氏は表現します。
信用の概念をみんなで共有できれば、別に通貨に頼る必要がないのです。
仮想通貨やトークンエコノミーが新たな経済圏を作る可能性があるとはいえ、それらも所詮ツールなのです。
堀江氏は、金持ちになるよりも、信用できるね、何か価値があるよねと思ってもらえる方がよっぽどよくて、その評価の取引において現金が使われても使われなくても構わないとさえ述べています。
通貨主義から評価主義へ
自分の魅力での成功体験が少ないと、通貨主義、つまりお金に固執してしまうと堀江氏は分析しています。
つまり、自己肯定感が低いが承認欲求は強いというような人たちは、なかなか評価をうけづらい状況にあります。
そのような人が評価を受けるようになるためには、ずばり自分が変わるしかないと堀江氏は強調します。
変わるための方法、それは行動しかありません。
行動によって、微動でもいいから少しずつ変化を起こしていくのです。
あなたはそんなにイケてないわけじゃない、ちょっとの工夫とちょっとの勇気が発揮できていないだけだと、堀江氏は呼びかけます。
まとめ
本書を読んで、あらためて従来尊ばれていた「労働」はもういらないのだとわかりました。
むしろ、そのような労働に従事することは、ムダな仕事を維持することに加担していることがわかりました。
しかし、今の日本社会の中で、労働をせずに、信用を高めて評価社会の中で生きていくためには、勇気と工夫が必要になります。
ぼくはそれを実現するために会社員であることをやめました。
少しずつでもその道を模索、実行していきます。