三島 学 (著), 江部 康二 (監修) 『「糖質制限」が子供を救う 』を読みました。
江部氏のブログの2018年12月7日の記事で、本書が世界初の子供の糖質制限の本であること、ようやくAmazonで継続的に販売されるようになったことが紹介されています。
とても興味を引いたのは、本書を発刊するのにかなりの苦労を伴ったということです。
糖質制限を理解している医師の間でも、子供の糖質制限については否定する人が多いそうです。
そしてほぼすべての出版社から賛同を得られなかったそうです。
糖質制限食は、人類の進化に基づいた人間本来の健康食なので、大人も子供もないはずです。
なぜ子供の糖質制限を否定する意見があるのかを知りたくて本書を手に取りました。
結果的には、本書を読んで、大人と同様に、子供にとっても糖質制限食はいいことばかりで、害を及ぼすこともないということがわかりました。
しかし、大人はOKでも子供はNGとする意見がある理由を本書から知ることはできませんでした。
本書で知った子供の糖質制限での効果をまとめます。
『糖質制限が子供を救う』問題行動が減る
子供の問題行動は、年代によって様々です。
本書では、幼少期の多動、思春期の暴力、うつなどに対して、糖質制限は効果があることを、実体験をもとに紹介しています。
成績が向上する
子供が糖質制限を行うことによって、情動が安定し、授業中の居眠りもなくなります。
それにより、理解力が深まり、成績が向上します。
効果は3ヶ月で出る
三島氏の食事指導はシンプルです。
- ご飯、パン、麺を抜く
- 肉、卵、チーズ、バターでお腹いっぱいにする
- お菓子をなくす
- 給食では、牛乳とマーガリンを外してもらう
この食生活を3ヶ月続ければ、心も体も変わってくると、三島氏は強調します。
意外に盲点なのは調味料で、糖質制限に理解がある家庭であっても、調味料の糖質を無視している場合が多いと、三島氏は注意を呼びかけています。
まとめ
本書を読んで、子供の多動や、思春期の精神の不安定さは、血糖コントロール不良によってもたらされるのだとわかりました。
子供の血糖値をアンバランスにする大きな要因は、糖質を大量に含むスナック菓子などの間食と、ぶどう糖果糖液糖を使用した清涼飲料水にあると思います。
これらをなくすだけでも、子供の精神はかなり落ち着くのではないかと思います。
さらに、日常の食事から糖質を抜けば、勉学への効果は計り知れないでしょう。
糖質制限では、十分なタンパク質、脂質を摂らない場合、カロリー不足になりがちなので注意する必要があります。
運動をたくさんする子供など、子供では糖質は1食あたり40gまでは問題ないと、江部氏は述べています。
三島氏の計算では、現在の学校給食は1食あたり80g以上の糖質量となっているそうです。
現状では、子供の食生活においても、糖質過多の状況にあると考えられます。