糖質制限におすすめの食用油について調べてみた

糖質制限食では、糖質を制限する分、タンパク質、脂質を多く摂る必要があります。

糖質制限の第一人者である江部康二氏は、糖質制限をしている人のために、良質の油としてオリーブオイル、エゴマ油、ラードを推奨しています。

それはなぜなのか、江部氏のメルマガ、ブログから、まとめてみます。

必須脂肪酸について

必須脂肪酸は、リノール酸とα-リノレン酸です。

この2つは炭素同士の2重結合が2つ以上ある、多価不飽和脂肪酸で、それぞれαリノレン酸がn-3系(3番めの炭素が二重結合)、リノール酸がn-6系(6番めの炭素が二重結合)です。

ω3、ω6とも呼ばれます。

この2つは、人体で作れないので、食事から摂取しなければなりません。

リノール酸、αリノレン酸は以下のように体内で他の脂肪酸を合成します。

  • リノール酸→γリノレン酸→アラキドン酸
  • α-リノレン酸→EPA→DHA

エゴマ油、アマニ油と魚を摂るべき

現在の日本人の食生活では、「リノール酸の過剰摂取→アラキドン酸の過剰」となっています。

一方、α-リノレン酸は摂取不足気味で、体内で作られるEPA・DHAも不足気味です。

αリノレン酸が多く含まれるのは、エゴマ(シソ)油、アマニ油、クルミ、大豆です。

EPA・DHAは、魚にたくさん含まれています。

人体内で「α-リノレン酸→EPA→DHA」というルートはありますが、生産能力は少ないので、直接、魚からEPA・DHAを摂取する方が、はるかに効率がいいと江部氏は解説します。

EPA・DHAに共通する働きとして中性脂肪の低下と血小板凝集の抑制があります。

EPAには血液サラサラ作用があり、DHAには脳代謝の賦活作用などがあるようです。

エゴマ油、アマニ油は酸化しやすいため、サラダなどの食品にかけて食べるなど加熱せずに使います。

日清オイリオのアマニ油は、フレッシュキープボトルに入っているため、開封後も情報で保存できて使いやすく、ぼくは冷奴やサラダにかけて使っています。

クルミは3種ミックスナッツを毎日1袋食べています。(レビュー)

亜麻仁油

植物油はオレイン酸リッチなものを使うべき

現在の日本人の食生活では、「リノール酸の過剰摂取→アラキドン酸の過剰」となっています。

リノール酸はほとんどの植物油の主成分です。

リノール酸の多い植物油は大豆油(サラダ油)、コーン油、綿実油、グレープシードオイルです。

現代の食生活では、植物油の摂りすぎこそが、要注意なのです。

大多数の栄養学者が積極的摂取を勧めているオリーブオイルの主成分は、リノール酸ではなく、一価不飽和脂肪酸であるオレイン酸です。

オリーブオイルをたっぷり摂取するる地中海沿岸諸国の人々が、脂質摂取率が高いにもかかわらず、冠状動脈性心疾患が少ないことが権威ある医学雑誌ニューイングランドジャーナルで報告されて以後、オリーブオイルの人気が高まっています。

植物油はリノール酸ではなく、オレイン酸が主成分のものを使用すべきです。

オレイン酸はオリーブオイル以外には、高オレイン酸タイプの紅花油やひまわり油、キャノーラ油などに多く含まれています。

ひまわり油については以下の3種があります。

  • ひまわり油、高リノール酸
  • ひまわり油、ミッドオレイン酸
  • ひまわり油、高オレイン酸

当然、高オレイン酸のひまわり油が一番好ましいです。

キャノーラ油はナタネ油の一種です。

ナタネ油に含まれるエルカ酸という成分の毒性が疑われたため、オレイン酸を多く含む「キャノーラ種」のナタネが用いられるようになりました。

オリーブオイルの半分程度のオレイン酸を含みます。

動物油は酸化しにくく安全

オレイン酸は、一価不飽和脂肪酸です。

不飽和脂肪酸の中では最も酸化されにくいですが、飽和脂肪酸と比較すれば当然酸化されやすいです。

日本脂質栄養学会は「動物油は植物油より安全性が高い」という見解です。

それを考慮すると、加熱する食用油にはラードを使うのが安全です。

まとめ

食用油には、様々な種類があり、いったいどれが体にいいのかと、少し混乱していました。

今回、江部氏の見解をまとめることで、ある程度整理ができました。

ぼくが今後使っていきたい油は、高温加熱用としてはラード、ある程度加熱する場合はオリーブオイルまたは、オレイン酸リッチな植物油、加熱しない油としては、アマニ油です。

そして、食品としては、クルミ、魚を積極的に摂取するようにしていきたいと思います。