『最高の体調 』【レビュー】 「炎症」と「不安」の対処を学んだ

鈴木祐 (著)『最高の体調 進化医学のアプローチで、過去最高のコンディションを実現する方法』を読みました。

本書は、進化論からヒトを理解しようとする進化医学にもとづいています。

急激に変化している現代社会のせいでおきている、ヒトの進化のミスマッチを解消することで、本来の健康を取り戻そうというアプローチです。

体調不良を改善する方法だけでなく、「漠然とした不安」というメンタル疾患の大きな原因をも取り除く方法を示しています。

ヒトは600万年という膨大な年月をかけてゆっくりと進化してきました。

600万年のほとんどの間、ヒトは狩猟採集生活を行ってきました。

しかし農耕が始まってからの1〜2万年で急激な環境の変化が起こっています。

つまり、環境がヒトの遺伝子とのミスマッチを起こしているのです。

遺伝子に刻まれたヒト本来の体調とメンタルを取り戻すためには、農耕開始前の旧石器時代の生活パターンを、うまく現代生活に取り入れることが有効です。

それを食事に応用したのが、旧石器時代(Paleolithic Era)の英語を語源とした、「パレオダイエット」です。

著者の鈴木祐氏は、パレオダイエットによって心身の復活を遂げ、その過程を『パレオな男』というブログで情報発信しています。

本ブログは、本書の帯に推薦の言葉を書いているメンタリストDaigoさんが、ニコニコ動画のチャンネルで、そのブログのリサーチをたびたび引用しています。

鈴木祐氏は、研究者ではありませんが、日頃からかなり多くの科学論文を読んでいるそうです。

また研究者ではないからこそ、特定の研究団体や企業に所属していないため、そのリサーチは、客観的で信頼性が高いといえます。

鈴木祐氏によると、環境と遺伝のミスマッチを起こしている大きな2つの要因は、「炎症」と「不安」です。

この2つのキーワードに関連する、ぼくが取り入れたいと思った方法を3つまとめます。

1 腸内細菌を増やす 『最高の体調 』

旧石器時代に比べて、衛生環境がよくなりすぎたことと、抗生物質が必要以上に使用されるようになった結果、現代人の腸内細菌の種類は著しく減少しています。

その証拠に、狩猟採集民の腸内細菌は50種類で、現代人は数種類です。

腸内細菌が少なくなると、炎症レベルが高くなることがわかっています。

また、コーネル大学の研究結果によると、腸内細菌と慢性疲労症候群との関係が強く示されています。

腸内細菌を増やすための方法は、食物繊維と発酵食品を摂ることです。

狩猟採集民の1日の食物繊維接種は42.5gで、現代人は13〜17gとなっており、現代人の食生活に食物繊維が不足していることがわかります。

食物繊維の多く含まれる食べ物としては、さつまいもやごぼうを想像しますが、海藻、きのこなどにも、水溶性食物繊維が豊富に含まれています。

発酵食品は、食べる量を増やしても効果を実感できない場合があります。

その場合、鈴木祐氏は、プロバイオティクスを薦めています。

プロバイオティクスには、腸内細菌を整えることで、花粉症などアレルギー症状を改善させる効果があることがわかっています。

また、メンタル疾患の改善効果も確認されています。

本書には、 鈴木祐氏が薦めるプロバイオティクスとして商品のリストが示されています。

iHerbという海外のサイトでは、国内のサイトより安く購入できるので、そちらで購入して試してみようと思います。

プロバイオティクスには個人差があるようなので、ひとつの商品で1ヶ月くらい試しても変化が起きない場合は、他の商品を試してみるべきとのことです。

2 リアプレイザル 『最高の体調 』

ヒトは短期のストレスには対処できますが、慢性的なストレスには耐えられないようになっています。

慢性的なストレスというのは、農耕生活になって初めて出てきたストレスです。

農耕は狩猟採集とは違って作物が収穫できるまでの期間が長いため、作物がうまく収穫できるかどうかの不安を長期間にわたって持つことになります。

ストレスのもとは緊張です。

緊張とは、外敵に対してすぐに行動を起こす引き金としてヒトに備わった本能です。

すぐに行動を起こす引き金には、緊張以外に、興奮があります。

興奮は獲物が獲れそうなときに感じる感情です。

緊張も興奮も、すぐに行動を引き起こす点で、脳の反応は同じです。

リアプレイザルというのは、「リ(re)=再び」「アプレイザル(appraisal)=評価」が語源で、自分の今感じている感情を再評価して新たに意味づけする方法です。

鈴木祐氏は、慢性的ストレスを解消する方法として、緊張を興奮に言い換えるリアプレイザルを紹介しています。

・「困難な状況に置かれている」→「自分を成長させてくれる環境に置かれている。」

・「緊張してきた」→ 「楽しくなってきた」 「興奮してきた」「ワクワクしてきた」

などと心の中で言い換えるのです。

リアプレイザルは練習すればするほど上達するので、感情の筋トレととらえて繰り返しやっていると身についてきます。

3 できるだけ単純にタスクを進める

漠然とした不安というのは、現代社会特有のストレスです。

現代社会は「結果が出るまでの時間が長い作業」や「実感のわかない数字の操作がからんだ作業」、「初対面の相手と親密な関係を築かねばならない営業」など、狩猟採集生活には無縁のタスクが氾濫しています。

鈴木祐氏は、ヒトの脳はまだ現代的なタスクに対応できないないから、根本的な解決はないと言い切っています。

そこは限界として認めたうえで、できるだけシンプルなルールを決めて、現在と未来の心理的距離を縮めることが大切です。

ヒトの脳は、一度に3から5の情報しか処理できないそうです。

鈴木祐氏が紹介している「アジャイルソフトウェア開発」から生まれたプロジェクトの進め方はぜひ取り入れようと思います。

  • 今日やりとげたいことを毎朝3つ書き出して実践
  • 今週やりとげたいことを週の頭に3つ書き出して実践
  • 今月やりとげたいことを月初めに3つ書き出して実践
  • 今年やりとげたいことを年始に3つ書き出して実践
  • 毎週末にレビューを行い、うまく行った点を3つ、改善できる点を3つ書き出す

これはとてもシンプルなルールです。

まとめ

進化医学に基づいた盛りだくさんの情報が満載の本です。

その中から、自分が取り入れたい3点をまとめました。

人間の脳は一度に3つの情報しか扱えないということとリンクさせています。

3つにまとめることで、本書から学んだ自分の記憶が整理されたという感覚が強くなっています。

これからも環境はすごいスピードで変化していきますが、ヒトの遺伝子は狩猟採集生活のままです。

このギャップを常に意識して、これから起こる環境変化に対応していきたいと強く思います。