自分を「ごきげん」にする方法 辻 秀一  (著) 【レビュー】

自分を「ごきげん」にする方法 辻 秀一  (著) を読みました。

メンタルトレーニングの理論を用いて、心を「ごきげん」にしてパフォーマンスを上げる方法を解説している本です。

僕が今学び実行している、原田メソッドの中にパフォーマンスの方程式があります。

「パフォーマンス=何を×どんな気持ちで」です。

「どんな気持ちで」とは、「ブスッとしない、ごきげんに」という心の状態です。

とても納得のいくわかりやすい方程式です。

では、どうすればごきげんでいられるか、それが一番重要なテーマです。

その方法を本書で著者はわかりやすく解説しています。

心を大事にするごきげん道

著者はスポーツドクターとして、アスリートのメンタルトレーニングに関わってきました。

アスリートは、皆結果にこだわって生きています。

そして、心がパフォーマンスに影響するということを一流アスリートほど理解しているというのです。

そして心を大事にする道が「ごきげん道」です。

脳と心の関係とは

心は数値化したり、科学的にとらえるのが難しい領域です。

近年脳科学はどんどん発達しています。

しかし、心については、科学的に説明はされることはありません。

著者は、脳と心を別物ととらえています。

心とは、感情の現れとしての状態で、

脳とは、状態を生み出す機能を持っている器官であると、解説しています。

心は行動の質に影響します。

行動の質も数値化することは困難です。

見えずらく、数値化しづらい領域を、意識的にコントロールしていこうというのが「ごきげん道」です。

どうすれば「ごきげん」になれるのか

著者はごきげんになれる方法として、気づき、そして、切り替える、という2つの手順を紹介しています。

気づくというのは、自分の感情に気づくことです。

人の感情は外界によってもたらされます。

外界の状況を認知することで、様々な感情を生み出します。

なぜ感情が生まれるのか、それは外界の状況に対して、自分が「意味づけ」をしているからです。

その「意味づけ」が心をつくります。

例えば、雨が降ってうっとおしい、憂鬱な心になるのは、雨について自分がそのような意味づけをしているからです。

雨自身には、本来何の意味もついていません。

その意味づけに気づくだけで、外界に接着している意味づけが少しはがれると、著者は解説します。

意味づけに気づいたあと、ポジティブシンキングを使って、意味づけを変える必要はありません。

例えば、雨のおかげで農産物の収穫高が増えて安く手に入るなどと、意味づけを変える必要もないのです。

ただ自分の感情と、その意味づけに気づくだけでいいのです。

そして2つ目の手順の、切り替えです。

今認知した感情の気づきとは関係のない、好きなものを考えるのです。

気づいて意味づけをはがしたあとで行うことで、この違うことを考えやすくなります。

切り替えには3つのツールがあります。

それは、表情、態度、言葉です。

この3つをごきげんなものに変えることで、心がごきげんになります。

ごきげんだから表情、態度、言葉が変わるのではなく、表情、態度、言葉がごきげんだから、心がごきげんになるのです。

著者は、「ごきげんワード」など、習慣として表情、態度、言葉を使うことを勧めています。

心エントリーとは

著者は、ごきげんな心をつくって結果を得ることを「心エントリー」と表現しています。

逆に、結果を出すことで、ごきげんな心をつくるのが、「結果エントリー」です。

通常は僕たちは、「結果エントリー」の思考に陥りがちです。

オリンピック、世界選手権で何度も金メダルを取っている、レスリングの吉田沙保里選手は、試合の間は、「一生懸命を楽しむ」という心境を持っており、リラックスした脳波が表れているそうです。

吉田選手は、心エントリーであることで、フロー状態に入れているのです。

著者は、期待と応援を例にあげています。

期待されたチームと、応援されたチームでは、応援されたチームの方が勝ちやすいのです。

期待する方と、応援する方では、応援する方がごきげんになれます。

期待は「結果エントリー」で応援は「心エントリー」であることがわかります。

自分を「ごきげん」にする方法 まとめ

本書を読んで、「ごきげん」になる方法がわかりました。

まずは、感情とその意味づけに気づく練習を行っていきたいと思います。

卓球の練習、試合において、ごきげんに練習し、心エントリーで試合に臨むというように取り組んでいきたいです。