児玉光雄のスポーツの急速上達を身につける本 児玉 光雄  (著) 【ブックレビュー】

本書を読んで、練習の意味とフィードバックの重要性がわかりました。

練習とは、意識を使わない技の記憶の数を蓄積して、その精度を高めていくものです。

フィードバックは上達の効果を高めるために最も重要な要素です。

やみくもに練習するだけでは、もったいないということがわかりました。

技の記憶とは

練習とは、頭を使わずに無意識に動いてくれるプログラムの、種類と数と精度を高める行動です。

効果が現れるまで時間がかかるため、粘り強くやる必要があります。

記憶には陳述的記憶と手続き記憶があります。

陳述的記憶は会社や学校で学んだ知識である意味記憶と、人生の出来事や体験を覚えているエピソード記憶があります。

手続き記憶とは頭を使わず、体で覚えている動作の記憶です。

その記憶は小脳や大脳基底核に蓄積されて、一度習得したら劣化もしないし、忘れることもありません。

自転車の乗り方を生涯忘れないことを考えるとわかりやすいです。

手続き記憶は、別名「技の記憶」とも呼ばれます。

テニスのプロ選手が時速200キロの高速サーブをを出されてから、打ち返すまでの時間は、0.4秒と言われています。

その都度脳で処理をして、どのように打ち返すかと判断するというのはとても間に合いません。

では、この高速での反応を、人間の脳はどのように行っているのでしょうか。

すでに脳の中に作られたプログラムの中から、瞬時に最適なプログラムを引き出して出力するのです。

このプログラムの種類と数が豊富にあり、なおかつその精度が優れているのが、名プレイヤーです。

このプログラムの数、種類、精度を高めることが、練習の目的です。

手続き記憶は前述のように、一度身につけると失うことがありません。

しかし、技の記憶は表にはなかなか効果が現れません。

しかし、ある瞬間にネットワークが結線され、活用できるようになります。

だから効果がなかなか現れなくても粘り強く練習することが大切なのです。

フィードバック機能

練習をやった後に、正しいフィードバックを得ることがとても重要です。

ついたての向こうに置かれた的を狙って投げさせるという実験結果が、そのことを示しています。

投げたボールの位置のフィードバックを行ったグループ、得点のフィードバックを行ったグループ、フィードバックなしのグループの得点を比較したところ、フィードバックなしのグループは全く得点が上がりませんでした。

一方、フィードバックが行なったグループは得点が上がり、位置を教えられたグループの得点が最も上がりました。

フィードバックを与えてくれるコーチがいなくても、スマホで自分のプレーを録画することで、客観的なフィードバックを得ることができます。

適切な目標の立て方

マクロランド理論と呼ばれている実験結果があります。

ハーバード大学の学生輪投げの試験を5回やってもらいました。

その後、各グループごとに、的までの距離を自由に決めてもらいました。

すると3回入るような距離に的を持ってきたグループが、最も真剣に課題に取り組んだという結果が出ました。

3/5=60%の達成率の課題に取り組むことが最もやる気を上げる、という理論です。

次に杉原隆氏の実験結果です。

小学生に立ち幅跳びをやってもらう実験を行いました。

立ち幅跳びをした後に、その後目標なし、100% 、110%、120%、130%のそれぞれの目標立てた小学生の記録は、110%の目標を立てた小学生が最も高い記録を出しました。

その次に高かったのが120%です。

つまり110%から120%位の目標立てることが、最もパフォーマンスを上げるのです。

まとめ

練習とは無意識に反応する技の記憶の数、種類、精度高める行動であることがわかりました。

また練習の効果を高めるためには、練習後に正しいフィードバックを得る事が重要です。

練習効果を高めるには、正しい目標設定が必要です。

目標設定を数値化する2つの基準があります。

1つは60%の達成率の目標を掲げることです。

もう一つは現在できている事の10%から20 %増の目標を立てることです。

客観的フィードバックを得るために、卓球の練習、そして試合もきちんと動画に撮って、フィードバックを得てから、課題に取り組むという習慣を開始しようと思います。