いつも「時間がない」あなたに: 欠乏の行動経済学 センディル ムッライナタン (著), エルダー シャフィール (著), Sendhil Mullainathan (原著) を読みました。
私たちは、「欠乏」している状態だと、行動や思考に無意識レベルで様々な影響を及ぼすということを解説している本です。
欠乏の行動経済学 トンネリングと集中ボーナス
欠乏の感覚は、トンネリングを生みます。
トンネリングとは過度に集中するあまり、集中していること以外のものが見えなくなる現象です。
トンネルの外は見えないのです。
トンネリングによる利益があります。
それが集中ボーナスです。
時間の欠乏によって、生産性向上をもたらすのです。
締め切りに追われると人は、通常より高いパフォーマンスを発揮します。
欠乏と処理能力の低下
人は時間、お金など、自分が持っている資源がごくわずかしかないと考えるとき、物理的な意味だけに重点を置きます。
お金が残りわずかしかない、時間があまりない、などの考えです。
しかし、欠乏の感覚は、コンピューターの処理能力が低下するように、あらゆる心的資源を減少させるのです。
このことは、物理的な意味に比べてはるかに大きな影響です。
スラックの重要性
欠乏感による処理能力の低下を防ぐためには、全ての資源において、スラックという、ある程度の余裕を持っておくことが重要です。
人は目の前にあることにトンネリングをしてしまいがちなので、そのことを前提に考える必要があります。
スラックを作るために処理能力を使うのは、1回だけにして、そのあとは自動化させてしまうのです。
自動化させるに当たっては、スラックを複利で増やす仕組みを作っておくことが重要です。
欠乏の行動経済学 まとめ
欠乏が僕たちに与える影響が思った以上に大きいということを学びました。
物理的に欠乏することよりも、脳の処理能力が低下してしまうということに大きな危機感を抱きました。
スラックは、日頃から貯めておく必要があります。
お金、時間だけでなく、信用、能力、健康など、目に見えないが、貯めておくべきスラックはたくさんあるような気がします。
日頃から、自動化、習慣化で目に見えないスラックを貯めていくことを意識していこうと思います。