通院してもちっとも治らない アレルギー性鼻炎を本気で治す!【レビュー】 浦長瀬 昌宏 (著)

通院してもちっとも治らない アレルギー性鼻炎を本気で治す! 最新治療から費用・期間までスッキリ分かる 浦長瀬 昌宏 (著) を読みました。

本書を読んで、アレルギー性鼻炎の治療がかなり進歩していることを、知りました。

2017年発刊なので、最新の治療が解説されています。

アレルギー性鼻炎は国民の4割がかかっている、まさに国民病です。

僕も子供の頃からずっと、アレルギー性鼻炎に悩まされてきました。

毎年春先の花粉の時期には、くしゃみ鼻水が止まらなくなります。

ハウスダストなどに反応するアレルギー体質なので、花粉の時期だけではなく通年に渡って発症し、酒を飲んだ翌日や,気温の変化があったときに、調子が悪くなります。

本書を読んで、治療が非常に進化していることを知り、この病気とつきあっていくことに安心感を覚えました。

鼻の病気はパフォーマンスを低下させる

アレルギー性鼻炎は鼻水や鼻づまりが主な症状で、かぜのように熱が出たりするわけではないので、軽く考えがちではないでしょうか。

しかし、著者は鼻の病気は生活の質に大きな影響を及ぼすと警笛を鳴らします。

鼻づまりが起こると、集中力が低下します。

そして鼻腔は声を振動させる役割があり、声の質が低下します。

このように、鼻の障害は、仕事のパフォーマンスや、生活の質に大きく影響を与えるのです。

アレルギー性鼻炎を本気で治す! 進化しているアレルギー性鼻炎の治療

アレルギー性鼻炎の治療は4種類あります。

  1. 薬物療法
  2. アレルゲン免疫療法
  3. 手術療法
  4. 抗原除去と回避

もっとも多くの人に適応されているのが薬物治療です。

近年、効果が高く、副作用がほとんどない、抗ヒスタミン薬が発売されました。

今までは皮下注射しかなかった、アレルゲン免疫療法は、経口投与が可能になりました。

手術療法は、内視鏡を用いて行うようになり、短時間で痛みが少なくできるようになっています。

以下にそれぞれの治療法について詳細をまとめます。

薬物療法 内服薬

現在薬物療法の主流は、第2世代の抗ヒスタミン薬です。

第1世代の効果をそのままに、眠気などの副作用を抑えて、効果が長時間持続するようにしたものが第2世代です。

さらに、2016年11月に新しい抗ヒスタミン薬が2つ承認されました。

ビラノア(一般名:ビラスチン)、デザレックス(一般名:デスロラタジン)です。

第2世代の中でもさらに副作用が少なく、効果も高いという薬剤です。

僕も、今年アレグラの効き目が弱いと医師に申告したら、ビラノアを処方されました。

ビラノア

飲み始めてすぐにアレグラ以上の効果を感じることができました。

眠気や口渇感などの副作用は全く感じません。

空腹時に飲まなければならないという制約はあります。

薬物療法 鼻噴霧ステロイド

ぜんそく治療の中心は吸入ステロイドになっています。

患部に直接届いて炎症を抑え、内服ではないため副作用も少ないのが理由です。

アレルギー性鼻炎の治療においても、今後の薬物治療の中心は鼻噴霧ステロイドになると著者は解説しています。

鼻噴霧ステロイドは、ゆっくり効果を発揮するため、少なくとも1週間は連続して使用する必要があります。

ジェネリックも含めて多くの薬剤が使えるようになっています。

僕も服用していて、使い始めて2、3日で鼻の炎症がすぐに治りました。

今後は、花粉症がひどくなる時期の前から、鼻噴霧ステロイドを使うようにしたいと思います。

鼻噴霧ステロイド

フルチカゾンはぜんそく治療用の吸入ステロイドのフルタイドと同じ成分です。

舌下免疫療法

スギやダニなど、アレルギー反応を起こす物質(抗原と呼ぶ)を少量ずつ投与し、体に慣れさせてアレルギー反応が出ないように体質改善を行う方法です。

3年くらいの長期間の通院が必要になりますが70-80%の人に効果があります。

以前は、抗原の投与は皮下注射だけだったのが、スギとダニで、舌下錠が使えるようになりました。

手術療法

手術療法は、症状が重症で、薬物療法が効きづらい人に適応になります。

主な手術療法は3つあります。

  1. レーザー手術
  2. 下鼻甲介手術
  3. 後鼻神経切断手術

レーザー手術は数年後に再発すると言われております。

それは、粘膜が再生することを意味しているので、安全性が高いということが言えます。

下鼻甲介手術は格段に進歩した手術だと著者は解説しています。

下鼻甲介の骨を除去することによって、鼻づまりと鼻水が減少します。

片側20分くらいで済む簡単な手術になっています。

著者の施設では、術後にガーゼを詰めず、自然に溶ける止血剤を入れておくだけとのことです。

以前知人が鼻の手術を行ったとき、「ガーゼを抜くときが死ぬほど痛かった」と聞きました。

これなら安心です。

後鼻神経切断手術はアレルギー性鼻炎にもっとも効果がある手術法です。

しかし、入院が必要で日数も必要です。

著者は、レーザー手術、下鼻甲介手術で効果がないときに選択すべきと述べています。

セルフケア

アレルギー性鼻炎の4つの治療法のうち、4つ目の抗原の除去と回避は、セルフケアでできます。

スギ花粉以外で、アレルギー性鼻炎の主な原因はハウスダストです。

そしてハウスダストの7割がダニです。

ダニは人のフケが好物なので、布団や枕からダニを除去することが大切です。

ダニは驚くことに、水洗いや、日干しでは除去できません。

もっとも効果的な除去法は加熱することで、50度以上であれば20分以上、60度であれば一瞬でダニは死滅します。

布団や、枕をコインランドリーなどの乾燥機にかけるのが効果的です。

またダニ避け枕もあります。

抗原除去については、鼻洗浄が効果的だと著者は述べています。

食塩水を用いて鼻うがいをするのです。

最近は電動の器具も発売されています。

 

まとめ

アレルギー性鼻炎の治療がどんどん進化していることをわかりやすく学ぶことができました。

来期からは、薬物治療の中心である、鼻噴霧ステロイドを事前に服用して鼻の炎症を抑えて、パフォーマンス低下に陥らないよう対策を練ります。

また抗原除去と回避のための、セルフケアについて知ることができました。

まずは鼻洗浄に取り組んでいきます。