伝え方が9割 佐々木 圭一  (著) 【ブックレビュー】

『伝え方が9割』 佐々木 圭一  (著)を読みました。

実は、僕の文章は冷たいと言われることがあります。

褒め言葉としては、理知的だと言われます。

いい意味では、必要なことを過不足なく伝えているということでしょうか。

しかし、僕の文章は、感情がこもっていない、すなわち、人の心を動かすものではないのだ、ということが本書を読んでわかりました。

本書では、人の心を揺さぶるコトバを作るたった5つのレシピをわかりやすく紹介しています。

今からすぐに使えるレシピをまとめました。

『伝え方が9割』ノーをイエスに変えるためる3つのステップ

  1. 自分の頭の中をそのままコトバにしない
  2. 相手の頭の中を想像する
  3. 相手のメリットと一致するお願いをつくる

これは、自分のお願いを相手のメリットに変えて伝えるという技術です。

「デートしてほしい」ではなく、相手の好きなことを満たす誘いに変えるのです。

「驚くほど旨いパスタの店があるんだけど、行かない?」が、この3つのステップの最終形になります。

「強いコトバ」を作る、基本のレシピ5つ

サプライズ法

サブライズマーク(!)と、サプライズワードを使います。

「びっくり、」「そうだ、」「ほら、」「実は、」「凄い、「信じられない、」「あ、」

例:「そうだ 京都、行こう」、「あ、小林製薬」

ギャップ法

正反対のコトバのあとに、伝えたいコトバを持ってきます。

例:「他の店がまずく感じるほど、ここのラーメンは旨い」、「これは私の勝利ではない。あなたの勝利だ。」

赤裸々法

自分の体の反応を赤裸々なコトバで表現し、そのあとに伝えたいコトバを持ってきます。

例:「のどがカラカラ、感動の映画でした」、「思い出しても顔が真っ赤になるくらい、素敵な夜でした」

赤裸々なコトバが思いつかない場合は、体の各部位の標準ワードを使う。

顔が真っ赤、のどがカラカラ、くちびるが震えてる、息ができない、目が合わせられない、すべてのうぶ毛が立っている、汗ばんでいる、頭の中がまっ白、手にじわり汗が、指先がじんじんする、じぶんの鼓動がわかる

リピート法

同じコトバを繰り返して強調します。

例:「うまい、うまい」、「今日は暑い、厚い」

クライマックス法

もったいぶる前置き(クライマックスワード)のあとに、最も伝えたいコトバを持ってきます。

クライマックスワードの例

「これだけは覚えてほしいのですが」、「ここだけの話ですが」、「他では話さないのですが」、「誰にも言わないでくださいね」、「これだけは、忘れないでください」、「一言だけつけくわえますと」、「ワンポイントアドバイスですが」、「3つのコツがあります」

例:「ここだけの話しですが、私はカレーが好きです」

長文を読ませるためには

1文目に5つのレシピを使った「強いコトバ」を使います。

出だしと同じコトバを使ってフィニッシュします。

出だしの1分目がうまくできたら、それをそのままタイトルにします。

または、「サプライズワード」+出だしの重要ワードでタイトルにします。

長文の中身には、決めどころにだけ、5つのレシピを使います。

数多くの文章術の本と同様に、著者は、出だしの重要性を強調しています。

出だしに5つのレシピを使うことで、読者に気づいてもらうのです。

メールは30%増しくらいがちょうどいい

手書き文字に比べて、デジタル文字は冷たく感じるものです。

この冷たさをなくすため、サプライズ法を多用すると、感情が30%増しのメールに変わります。

著者の以下の文章に、ハット気づかされました。

30%増しで嬉しいから30%増しで伝えるのではない、30%増しで伝えるから、30%増しの嬉しいことが起こる

『伝え方が9割』まとめ

実は、僕の文章が冷たいと言われるのは、明確な原因がありました。

それを気づかせてくれた本です。

コトバに感情を込める具体的なやり方を、たった5つのレシピにまとめてくれているので、今からすぐに実践ができます。