『マルホランド・ドライブ』 【レビュー】デヴィッド・リンチ監督

アップリンク渋谷で、『マルホランド・ドライブ』を前週に続いて2回目の鑑賞をしました。

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前回は観終わった後、モヤモヤ感たっぷりだったのですが、今回は、樺沢紫苑さんの神解説を読んでから鑑賞し、ほぼ理解することができました。

感想を書きます(ネタバレ注意です)。

樺沢紫苑さんの神解説

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前半はダイアンの見た都合のいい夢

1回目に観終わったときに、前半部分が夢と気づけなかったのは、前半部分の出だしが何の前触れもなく、ストーリーが進んでいったからです。

そして、後半部分の方が、空想的、幻想的なシーンが多かったため、後半部分が夢だと思ってしまいました。

今思えば、前半部分はとんとん拍子で演技が認められていくさま、あきらかに不審者であるリタを献身的にかくまうさま、2つとも、ダイアンにとって都合がよすぎる話しであることがわかります。

また、主演女優の決定にマフィアがからんでいるというストーリーも、主演女優になれなかったダイアンの被害妄想がからんでいるといえます。

夢の世界で主演女優をいとめたのは、名前こそカミーラでしたが、その外見はカミーラとパーティーで濃厚なキスをした女性の姿でした。このことは、1回目を観終わった後の疑問点でした。

それは、裏の手を使って主演女優をいめたというストーリーからいくと、それはカミーラであってほしくなかったというダイアンの願いと、カミーラを奪った女性に対する嫉妬がこめられているのでしょう。

カーボーイがなぜパーティーの場面にいたのか

カーボーイは、夢の部分で、「うまくやれば君はもう1回私に会う、間違えたら2回会うことになる」と語りました。

樺沢紫苑さんの解説のように、追加の1回は殺しに来ると言うことでしょう。しかし最初の1回はなんなのでしょう。カーボーイは、パーティーの場面にいたことを2回目の鑑賞で発見しました。それが最初の1回かと思いましたが、夢と現実のそれぞれでカウントするのはつじつまが合いませんし、時系列的にパーティーの方が夢より先なので、ますますつじつまが合いません。

樺沢紫苑さんのいう、人は誰でも1度死ぬということなのでしょうか。まだ疑問です。

ハリウッドを目指す人たちの集合夢

樺沢紫苑さんの解説でなるほど、と思ったのは、これは集合夢だという部分です。ウインキーズでのウェイトレスの名札にはベティと書かれていました。

売れない女優は飲食店でバイトをして生計を立てているということを象徴する場面です。ダイアンと似た境遇にいる、女優を志す女性がベティだと表現しているのです。

まとめ

樺沢紫苑さんの解説を間に挟んで、2週続けて劇場で観ることで、このミステリアスな映画の全容を理解することができました。

ストーリーを理解することができて、今回はハリウッドを目指す女優、そしてダイアンに対する切なさを感じました。