『アドラーに学ぶ部下育成の心理学』小倉 広 (著)を読みました。
樺沢塾の動画で小倉広さんの講義を聴き、「ほめず、叱らず」に部下に接する具体的な方法を知り、嫌われる勇気を読んで理解できていなかった点がわかりました。
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このことがきっかけで、小倉広さんの本を読んでみたいと思い手に取ってみました。
僕が大きく気づきを得たのは「勇気づけ」についてです。
アドラーに学ぶ部下育成の心理学 「ほめる」と「勇気づける」の違い
アドラー心理学は、すべての人間関係を縦ではなく、横にする、と教えています。それは、指導する関係にある、子供や、部下に対しても、同様です。そしてアドラーは人に対して、叱っても、ほめてもいけないと強調しています。
ほめるという行為は、一般的には肯定的なイメージでとらえられますが、それは相手を評価することで、結果的に相手をコントロールしようとする行為になります。人間関係は横の関係ではなく、縦の関係になります。部下が上司をほめることはしないということを考えてみればわかると思います。
アドラー心理学では「勇気づけ」という重要なアプローチがあります。アドラー心理学では人が課題を克服するために必要なものを「勇気」と表現しています。人が課題を克服できないのは、能力が足りないのではなくて、「勇気」が足りないのだと考えます。人間関係を横の関係にしながら、この「勇気」を与えるのが「勇気づけ」というアプローチです。
「勇気づけ」は、評価をすることではなく、ただプラスの面にフォーカスするということです。
「勇気づけ」の具体的方法
「勇気づけ」のポイントは以下の3つです。
- 相手の視点で
- 横から目線で
- 結果よりもプロセス
「ほめる」とは相手の優れている点について評価し賞賛することです。一方「勇気づけ」は、「相手が課題や困難を克服する活力を与える」ことです。「ほめる」は、「ほめる」側が期待している行動に対しての評価ですが、「勇気づけ」では「勇気けづけ」をする側の視点ではなく、相手の視点に立って、共感的態度で行います。
「勇気づけ」は横から目線で、主観や感想を伝えます。こちらの期待を反映していないから、純粋な感想になります。これには相手への感謝も含まれます。相手に感謝することで、相手は自分の力を信じることができます。
「勇気づけ」では、結果よりも、プロセスや相手の存在そのものに焦点を当てます。部下のパフォーマンスで、方向は正しくとも、結果が出ていないという状態はよくあります。そのようなときに、相手の視点に立って、相手が努力している部分にフォーカスして感想を述べるのです。
アドラーに学ぶ部下育成の心理学 まとめ
僕は、他人に対して感情をあらわにしないタイプです。そのため管理職に就いたときでも、部下に対して叱るという行為はしたことはありません。叱るだけでなく、ほめることも苦手だったので、ほめることもしてきませんでした。社員は自分で考えて行動するべきだと思っていましたし、自分が部下の立場であったときも、上司からあれやこれやと指示されるのは嫌いでした。
このように、僕は、叱らない、ほめない、を自然に実践できていましたが、それだけでは不十分だったことが、小倉広さんの解説でわかりました。今後、「勇気づけ」は人に対して積極的に、意識してかけていきたいと思いました。