大阪体育大学教授で日本卓球協会メンタルサポートスタッフの岡澤祥訓(カザワ ヨシノリ)先生の『勝利をつかむ!卓球最強のメンタルトレーニング 』を読みました。
卓球をやったり、観たりしていると、卓球はメンタルの要素が非常に大きいスポーツだと実感します。
自分でプレーする上で、また他の選手のプレーのコーチを行うために卓球のメンタルに大切なことを知りたくてこの本を手に取りました。
この本から知りたいこと
- 卓球の他のスポーツ違う特徴とは
- 呼吸の重要性とは
- ポイント間のセルフトークとは
- ルーティンとは
- 結果に対する受け止め方
- 水谷選手のメンタル
勝利をつかむ!卓球最強のメンタルトレーニング 岡澤 祥訓 監修
卓球の他のスポーツ違う特徴とは
卓球は野球やサッカーのように攻守の切り替えがなく、常に責め続けなければならないスポーツであると著者は述べています。
攻め続けることは難しく、勝ちを意識することで弱気になってしまい、相手に主導権が移ることがあります。
また引き分けがないため最後の一本まで気を抜くことができません。
呼吸の重要性とは
著者は緊張をやわらげる方法として腹式での深呼吸を紹介しています。
1、2、3で鼻から吸って、2秒止めて、4、5、6、7、8で口から吐く
これを何度か繰り返すことでリラックスすることができるのです。
ポイント間のセルフトークとは
卓球は攻め続けなければならないスポーツなので、常にポジティブな思考を持つことが大切です。
著者は気持ちがネガティブになることを防ぐために、ポイント間、ボールを拾いに行くときに、自分で自分に発するセルフトークを使うことが効果的であると解説しています。
セルフトークは、状況別に事前に準備しておくことが重要です。
ミスが続いたとき、相手のペースになっているとき、不公平なジャッジのときなど、準備していた状況になったときに、そのセルフトークを用いるのです。
ルーティンとは
イチロー選手のバッターボックスでの動作、五郎丸選手のキック前の動作はルーティン行動として有名です。
ルーティンにより、気持ちを落ち着けて平常心でプレーすることができます。
本書では水谷選手のサービス、レシーブに入る前ルーティンが紹介されています。
強い選手ほど自分なりのリズムでのルーティンを持っていることがわかります。
結果に対する受け止め方
勝利はしっかりと喜んで自分を褒め、次へのモチベーションにすることが大切だと著者は強調しています。
敗北したときは、くよくよせずすぐ反省に切り替え、もう一度やり直せるならどうすべきであったかに集中することです。
反省ではよかったことと悪かったことの両方を挙げることがポイントです。
録画映像があればわかりやすく振り返ることができます。
水谷選手のメンタル
本書では水谷選手のインタビューが掲載されています。
その中で重要と思った部分は以下です。
- 基本的な戦術を立てたら、試合が始まるまではそれを考えずリラックスする。試合が始まったら立てた作戦を実行することだけに集中する。
- 練習でのミスを本気で悔しがる。練習をこれ以上ないくらいの集中力で取り組むことで試合中に強気になれるし、開き直れる。
卓球最強のメンタルトレーニング まとめ
卓球は攻め続けなければならないスポーツであるという特徴にあらためて気付きました。
そして深呼吸や、ルーティン、セルフトークなど、メンタルを安定させるいくつもの技術とトレーニングがあることがわかりました。
今後自分の試合や、他の選手の試合のコーチにも応用していきたいと思います。