『骨・関節・筋肉の構造と動作のしくみ 』深代千之 監修を読んだ。
目的は以下だ。
- ゴルフの中井学氏の理論の「体幹の捻転差」を理解したい。
- 卓球における、下半身(下肢)と上半身の使い分けの方法を知りたい。
- 卓球における、最適なグリップを得るため、指の機能を知りたい。
この本から得られた回答を紹介したい。
骨・関節・筋肉の構造と動作のしくみ 深代千之 監修
体幹は動力源
本書では、上肢、下肢を除いた胴体のすべての筋肉を体幹と呼んでいる。
私たちは、走るのは足、投げるのは腕、が力を生み出していると思いがちだ。
しかし実際は体幹の筋肉が主導して、その筋肉につながった足と腕の筋肉が連動して動いている。
だから大きなパワーを出すためには体幹をうまく使うことが重要である。
体幹は上下2つに分けて考える
体幹には骨盤を中心とした下胴と、肋骨から肩までの上胴に分けることができる。
捻転運動とは、先に下胴が回転し、上胴が遅れてそれについていく動きだ。
この動きによって大きな力が生まれる。
体幹は一枚の板ではないというイメージを持つのが有効だ。
下肢は地面抗力をコントロールする役割
人が外部から受ける力は3つある。
重力、空気抵抗、地面抗力だ。
そして、地面抗力を下肢がコントロールすることで、姿勢が安定し、体幹の力を効果的に使うことができる。
下肢の一番大事な役割は、姿勢を安定させることなのだ。
卓球の場合は、ボールの近くまで体を動かすのは体幹の仕事で、そのあと姿勢が崩れやすくなるのを支えるのが下肢の仕事ということになる。
ゴルフでいうと、体幹の前屈を維持させるのが下肢の仕事で、下肢で回転を作るのではないことがわかる。
親指の働き
指の中で親指だけが制御する筋肉が違う。親指は他の指より可動域が多い。
また他の指と対立する動きをすることで、つかむ、握る、ことができる。
スマートフォンを4本の指で支えながら、親指で文字を打つというのはまさに親指の特徴を表す動きだ。
卓球のペンホルダーのグリップでは、裏面に三本指の腹はつけるべきでないとの教え方がある。それはバックショートの角度が出にくいからだ。
しかし、指の動きから考えると、親指と裏面の指でラケットを挟むのがもっとも安定する握り方になる。
ペンホルダーでのバックは表面を使わず、裏面だけを使うようにすれば、バックで角度が出にくいことを気にしなくてもよい。指の腹で支えることを考えるべきだ。
そして表面の人差し指をどう使うかだが、従来の日本式グリップのように出っ張りに引っ掛けるのが指の動きから考えて自然だ。
もう一度日本式ペンホルダーのグリップを見直すべきかもしれない。
まとめ
この本で、今まで曖昧となっていた体幹の働き、下肢の働きを理解することができた。
スポーツで安定して強い力を生み出すためには、下記の2点が重要である。
- 下肢の働きで姿勢を整える
- 体幹の捻転を使う
今後実際に意識してゴルフ、卓球に取り組んでいきたい。