『食べない人たち』を読んだ。
この本は3名の不食実践者が不食のテクニックについて書いた本だ。
山田鷹夫氏の『不食 人は食べなくても生きられる』という本が出たとき(2004年)にはとても驚いた記憶がある。
一定期間食を絶つ断食や、食を少なくする少食とは違って、食べなくていい不食という概念を新たに提唱したのだ。本を読んで自分でも試して、不食に到達することはできなかったが、人は食べなくても生きられると知ったことは大きかった。
また森美智代氏の『食べること、やめました ―1日青汁1杯だけで元気に13年』も読んだ。
秋山佳胤氏についてはこの本に出会うまでは知らなかった。弁護士として一般社会で活動しながら不食になっていったという経歴に強く興味を抱いた。
食べない人たち「不食」が人を健康にする 3名の不食実践者が語る不食のテクニック
秋山佳胤氏
秋山氏は、物質的な食物の代わりにプラーナをエネルギー源とすることで不食が可能になると述べている。
秋山氏は最初は呼吸と体操による気功法を独学で学び、それから気(プラーナ)の存在を確信するようになった。そして様々な出会いから、すでに不食に達していたジャスムヒーン氏の存在を知り、2年間をかけて不食になっていった。
1日1食から、次第に水さえもいらないように変化し、現在はプラーナ100%で生きていると述べている。
実験結果からブラーナ率が上昇するとともに脳波が変わるという。脳波が変わることによって精神状態は安定する。
問題を問題と思わず、思い込みから自由になるなどの境地になると述べている。そして飢えの心配がないから、今を生きることができるようになるという。
森美智代氏
森氏は、不食の状態を、条件のない幸せ感が24時間続くと表現している。
そして不食のコツは少食をめざすこと、いきなりはできないと述べている。
不食へ到達するための順番を以下のように解説している。
- 間色、夜食を抜く
- 朝食を抜く
- 夕食だけにする
- 菜食にする
山田鷹夫氏
山田氏は不食とは体の声を聞くことが大事と述べている。体が気持ちよくなる状態はどうかと考えることで、食欲に任せて食べるのではない選択肢が現れる。
不食と断食の違いについてこう述べている。
- 断食 人は食べなければ生きていけないという前提の元で食を絶つ。病気治しなどの目的があり、修行、苦行である。
- 不食 快楽を求めて行う、ただあるがままに選択する。
そして、不食とは長い期間をかけて、食べながら、食べないことを追求していく過程だと表現している。
山田氏自身が3年をかけて微食に到達し、食べても食べなくてもいいという境地に達したと述べている。
僕らが不食にたどりつくためには、まずは1日1食になれることが大事と強調している。
そしてランニングハイならぬ、不食ハイを感じるようになってくるという。
まとめ
山田鷹夫氏が不食という概念を世に出して10年ちょっとが過ぎた。
まだまだ一般的には知られていないし、信じる人は少数だろう。
秋山氏は2010年時点でヨーロッパには4万人の不食実践者がいると述べている。
不食の効果は、若返る、病気と無縁になる、悩みがなくなる、といいことづくめである。
もしだれもが不食が可能になれば世の中は大きく変わるとだろう。
自分でもまずは1日1食を目指してみようと思う。