『釈迦の教えは感謝だった』小林正観 著 【レビュー】般若心経の教えと悩みの原因がわかった

般若心経の意味を、わかりやすく伝えてくれる本です。

未来は決まっているという点、頼まれごとを「しょうがないなぁ」と思いながらやることがレベルの高い仕事を生むという点に共感しました。

悩み・苦しみとは思いどおりにならないこと

小林正観氏は、人間観察が好きだったことから、誰から教わることもなく、人相、手相が見れるようになり、若い頃から頼まれて人の相談を受けることを続けてきました。

20歳から45歳までの25年間、年間150日を旅をしながら、訪れた先々で、人の相談を受け続け、10万人もの人の相談を見聞きしてきたという驚くべき数です。

そして受ける相談の内容は、1995年くらいを起点に大きく変わってきたそうです。

1995年以前は、自分のことについて相談する人が多かったそうです。

自分がどう生きればいいか、自分に降り掛かった問題をどう解決すればいいかというような内容です。

それが1995年以降は、自分の問題以外のことを相談する人が多くなったそうです。

多くの人が、他人が自分の思い通りにならないということを悩むようになったのです。

小林正観氏は、そこで 「悩み・苦しみとは、思い通りにならないこと」という意味であることに気づきました。

日本人は、個人の生活が満たされたので、次は他人が思い通りにならないことについて悩みを持つようになったのだ考えると、興味深いです。

釈迦が般若心経で伝えたかったこと

小林正観氏は、釈迦が一番後世に伝えたかった経典が「般若心経」であると述べています。

そして、般若心経のエッセンスは、たったひと言、「五蘊皆空」であると解説しました。

五蘊(ごうん)とは、色(物体)・受(感受)・想(表象)・行(意志)・識(認識)のことです。

これが空であるとういことは、物体も心もすべては幻であるということです。

だから、今起きていることを受け容れることが大切なのです。

物体も、心も幻であるということは、前野隆司氏の「受動意識仮説」を読んでいたので、今は理解できるようになりました。

未来は確定している

小林正観氏は、人生は選択の余地のないことの積み重ねであると述べています。

人生にはいくつかの分岐点があって、自分自身で選択してきたかのように多くの人が感じているのは、錯覚なのです。

未来は確定しているとしかいいようがないと、小林正観氏は強調します。

だから、「思いは実現する」というのは違っていると述べています。

いくら強い思いを持っていても、そのようにならないことは人生の中でたびたび起こります。

小林正観氏は、「思いは持たない」ことが正しいと述べています。

ここからはぼくの考えを述べます。

夢や目標を持つことは、ポジティブ心理学的には、幸せな心を持つために必要なことです。

目標を持って、それに向かってチャレンジしていいと思います。

実現できなかったとしても、それを受け容れる心を持てばいいのだと、ぼくは解釈しました。

頼まれごとが本来やるべきこと

小林正観氏は、人間がほんとうに心の底から幸せを感じられるのは、喜ばれたときであると強調しました。

だから、いかに頼まれやすい人になるか、いかに頼まれごとをするかが大事です。

そして、自分がやる羽目になったこと、頼まれたことをやるのがいいと述べています。

レベルの高い仕事とは、頼まれたことを「しょうがないなぁ」と思いながらやるところにあると表現しています。

自分の内なるものに従って行う仕事は、レベルの低いものになってしまいます。

この考え方は、倉園佳三さんの「グッドバイブス」の徹底的に受け身でいよう、という考えと同じです。

ほんとうの感謝とは

釈迦は感謝を、有難(ありがたし)という言葉で伝えました。

般若心経によると、五蘊は空だから、ただ受け容れればいいのです。

小林正観氏は、本質的な感謝とは、すでに与えられているものに対して感謝を続けることと述べました。

まとめ

釈迦の教え、般若心経の意味を、わかりやすく伝えてくれる本です。

ぼくたちは、思いどおりにならないことで悩みます。

でも、物体も心も幻で本来は無いものです。

そうすると、ありのままに受け容れることしかできません。

受け容れることの最高の形態が感謝なのです。