
2012ロンドン五輪の試合の分析では、卓球では、サービスを持っている場合の得点率は55%で、レシーブから入る場合の得点率は45%です。
卓球のラリーの分析データが、日本卓球協会のホームページに2020年4月10日掲載されました。
「医科学コラム」という特集で、第4回「サービス、レシーブ、3球目などを行っている割合から見た卓球ラリーの特徴」という記事です。
その記事のもとになっている論文を、読んでいて、サーバーとレシーバーの得点率のデータを見つけました。
卓球のワールドクラスの試合におけるラリーの特徴 -ラリー中の打球回数に着目して-
吉田 和人, 山田 耕司, 玉城 将, 内藤 久士, 加賀 勝
しかも、この得点率は、男女、攻撃型、守備型を問わず、ほぼ同じ結果になっていました。
卓球のラリー 打球回数の分析から導き出された 得点率

この論文のデータは、2012年ロンドン五輪での149試合の集計です。
オールラウンド型(A)、守備型(D)、男子、女子、に分けて、分析しています。
その結果、A対A、A対D、男子、女子に関わらず、サーパーの得点率の平均値(55%)と、レシーバーの得点率の平均値(45%)がほぼ一致しました。
D対Dだけは少しだけ違う傾向になっていますが、近い値です。
5段階の基準は有用だ
サーバーと、レシーバーの得点率の平均は、A対A、A対Dでも、男女でも、変わらないのですが、ばらつきの範囲はそれぞれ違っています。
論文の著者は、ばらつきを5段階に分けて、評価基準を提示しました。
これは、実際のコーチングに使えるデータになります。
ちなみに男子でいうと、サーバーの得点率として、下記の5段階に分けています。
- 37.2%未満 (低い)
- 37.2%-49% (やや低い)
- 49%-60.8% (中程度)
- 60.8%-72.6% (やや高い)
- 72.6%以上 (高い)
あくまでも、このデータはオリンピックに出場したレベルの高い選手のデータです。
しかし、アマチュアの我々も、このデータを基準に、改善する必要があるかないかを見る指標になると思います。
まとめ
卓球のラリーの打球回数を分析した論文を読みました。
オールラウンド型、守備型、男女を問わず、サーバーの得点率の平均は55%、レシーバーの得点率の平均は45%であることがわかりました。
戦力が拮抗している選手同士であれば、アマチュアでもこのデータをいかすことができると思います。
特定の相手に対して、サーブでの得点率、レシーブでの得点率が、5段階のどこにあるのかを見極めることで、対策を練ることができます。