サピエンス全史・上 【レビュー】認知革命編 虚構を信じる能力が人間を生物界の頂点にした

『サピエンス全史』ユヴァル・ノア・ハラリ(著) は人間を理解するために重要な視点を与えてくれる書です。

認知革命についてまとめます。

サピエンスとは

生物の種類は、科、属、種というように階級的に分類されています。

種とは交尾してお互いの子孫を残すことのできるグループです。

馬とロバは共通する祖先を持ち同じ属になりますが、交わって子孫を残すことはないため、別の種に分類されます。

ぼくたちはヒト科ホモ属サピエンス種と分類されます。

ヒトは特別の動物ではなく、他の動物と並ぶひとつの種なのです。

ホモ属の中にはかつてサピエンス種以外にたくさんの種がありました。

しかしサピエンスに起こった認知革命によって、サピエンス種は他のホモ属を駆逐し、今や食物連鎖の頂点に立っています。

本書は、生物としてのヒトをサピエンスと呼び、すでに滅びていますが、サピエンス種以外の種も含めて人類と呼んでいます。

人類の起源と進化

600万年前、一頭の類人猿からチンパンジーとヒトに分かれました。

250年前アウストラロピテクス属から、ホモ属が分かれました。

200万年前からホモ属の中に複数の種が並行して存在しました。

10万年前にはホモ属には6つの種がいました。

サピエンスが唯一のホモ属であったのは過去1万3000年の間だけであり、サピエンスしかいない現在は人類の歴史から見ると特異な状態です。

サピエンスが食物連鎖の頂点になった理由

ぼくたちサピエンスが現在のように、地球上で全生物の食物連鎖の頂点にあるのは、サピエンスだけに起こった認知革命のおかげです。

サピエンスに起こった認知革命とは、7万年前から3万年前にかけて起こった、新しい思考と意思疎通の方法です。

火を使用するようになったことは重大なできごとでしたが、15万年前の人類は、まだ食物連鎖の途中にある取るに足りない生き物でした。

なぜ認知革命がサピエンスだけに起こって、ネアンデルタール人のような他のホモ属には起こらなかったのか、著者は偶然としかいいようがないと説明しています。

それよりも、その認知革命が起こした結果に注目する必要があると強調します。

その認知革命の結果とは、サピエンスの柔軟な言語です。

言語は他の動物種も使用していますが、サピエンスのそれとは大きく違います。

サピエンスの言語は、存在しないものの情報を共有することができます。

その結果、集団で虚構を信じることができるようになりました。

つまり、大勢で柔軟に強力するという強大な力をサピエンスに与えたのです。

想像上の現実は嘘とは違い、誰もがその存在を信じていることです。

現在存在している、国家、法律、会社、貨幣など、すべて実在はせず、大勢の人が信じているというものです。

まとめ

サピエンスとは人類の600万年の歴史の中で、たったの1万3000年の間に唯一のホモ属となったという事実は驚きでした。

また、7万年前に認知革命が起こる前は、他の動物と同じように食物連鎖の中にある取るに足らない存在であったのです。

サピエンスは現在高度なテクノロジーを駆使して、食物連鎖の頂点に立っています。

その要因が、集団で虚構を信じることができるという能力にあるというのは、衝撃的な真実です。

人間の社会や行動を理解していく上で、サピエンスの認知革命の歴史を踏まえることは重要なことです。