倉園佳三 (著)『グッドバイブス ご機嫌な仕事』 を読みました。
ぼくがいつもタスク管理やガジェットの情報収集をしているサイト『シゴタノ』を主催する大橋悦夫さん、佐々木正悟さんがそろって、倉園佳三さんと関われたことを2018年の大きなできごとととらえていたことに興味を持ったのがきっかけです。
さっそく『 CHAGES 』というサイトで倉園佳三さんの記事を読んで、常識をくつがえす理論とストーリーに圧倒されるとともに、たくさんの元気をもらいました。
本書はその記事の元となる思想が詳細にわかりやすく記されています。
自分なりに3つの問いを持って読みました。
『グッドバイブス ご機嫌な仕事』3つの問い
計画はたてるべきではないのか
著者は「 いっさいの計画を手放すことこそ最善の策」と断言します。
これはかなり常識を吹き飛ばす考え方です。
この先を読んでみると、すべての計画を手放せと言っているわけではないことがわかります。
著者が言いたいのは、いまを手段とした計画は手放さなければならないということです。
つまり、いまを犠牲にして将来の目的のために行動することは、やめるべきだということなのです。
著者は「 ゴールのためにおこなうさまざまなことこそ目的である」と述べています。
つまり、プロセス=目的にするのです。
山に登るなら、山頂に到達することではなく、山を登るプロセス、つまり山道を歩いたり、崖を登ったりすること、そのものを目的にするのです。
プロセスそのものを目的にすることで、意識はいまここにしか向けられなくなります。
結果を出さなければならないという不安から開放されます。
それはとても楽しい取り組みです。
しかし現実には、世の中のあらゆる仕事、学業、スポーツでは、決められた期限で、数値化された成果が求められます。
それでも著者は、「いっさいの計画を手放すべきだ」と強調します。
そんな仙人のような考えで現実社会を生きてくことができるのでしょうか。
著者はこの問いに対して、
「この仕事が本当に役に立つものなら、最良のタイミングで最高のタイミングのものができあがるに違いない」
という確信を持つことであえて計画を手放そう、と提案します。
この確信を持ち続けながら、計画を手放してインスピレーションに従う練習を繰り返していくと、やがて時間という概念から自由になれるはずだと著者は強調します。
目標を明確にイメージしながら、いまここに集中してプロセスそのものに没頭するというやり方を練習していこうと思います。
好きなことを仕事にできるのか
好きなことが仕事になるなら、それはとても幸せなことで、誰もがそうでありたいと思います。
しかし、好きなことだけやっていても稼げないという現実に多くの人がぶち当たります。
ぼく自身もその一人です。
著者はそのような考えは、「好き」=「楽」という大きな誤解から生まれると解説します。
「好き」とはむしろ「大変」で「キライ」=「楽」だという考えを180度変える必要があるのです。
しかし「好き」は「大変」であっても苦行ではありません。
「好き」を本気で取り組むことが大事で、ぼくも含めた多くの人は「好き」を「楽」にやろうとしてしまうのだとわかりました。
不安を消す方法はあるのか
すべての不安は未来からくると著者は強調します。
そして、いまこの瞬間に悩みなどないと言い切ります。
不安を含む、すべての悩みは過去と未来からきていると著者は解説します。
やっかいなことは、未来も過去も実在しないもの、つまりバーチャルなものであるということです。
とはいえ、高い確率で起こると予想される直近の未来からくる不安にはどう対処すればよいのでしょうか。
未来は実在しないのに、あたかも確実にそれが起こると思い込んで不安になるのです。
悩んでも解決しません。
不安や恐れを解消するのは、いまできる「行動」しかないと著書は強調します。
一番信頼できるのは、バーチャルな未来ではなく、いまここにある「行動」なのです。
まとめ
ぼくが日頃感じている、問いや不安に見事に答えてくれる本です。
まとめると以下の3つです。
- 「いまここ」に没頭して計画を手放す
- 「好き」=「大変」なもの、本気で取り組む
- 不安はバーチャルなもので「行動」こそすべて