ちきりん (著)『マーケット感覚を身につけよう—「これから何が売れるのか?」わかる人になる5つの方法』 を読みました。
フリーランス(個人事業主)として生きていくために、とても参考になる考え方が満載の本です。
なぜなら、ちきりんさんは本書で、誰でも売れる価値を持っていると教えてくれているからです。
さまざまな具体的な事例が紹介されているので、腑に落ちて理解できます。
価値は自分で決める『マーケット感覚を身につけよう』
ちきりんさんは、自分自身の価値基準に従ってものを買うべきと強調します。
日本では、値札についた数字の大小で価値を判断する消費者感覚が多数をしめています。
だから50%オフなどのセール価格が出ると、それに踊らされて買ってしまう人が多いです。
定価であろうが、50%オフであろうが、値札の価格に左右されることなく、自分の価値判断で妥当と思えば買うべきだとちきりんさんは主張します。
日本では、商品には相場やコストに見合った価格がつけられているというのが前提になっています。
しかし海外では、1物2価や3価は当たり前で、アジアの国々に行くと、日本人とわかると高い価格をふっかけられることがよくあります。
海外では、同じものでも、高く売れる市場では、高く売るのが当たり前という感覚なのです。
日本でも、価値によって価格が変動する例が多くなってきました。
例えばビジネスホテルの宿泊料金です。
昔は、都市によるビジネスホテルの相場価格というのがあり、価格は1年を通じて一定のものでした。
最近は、観光客が多くなる時期には、通常の3倍程度の価格になることは、珍しいことではなくなってきました。
同じものでも、買う人によって、買う時期によって、価値は変動するものであるということを、ぼくたちは強く認識する必要があります。
つまり、マーケット感覚とは、値札によらずに価値を認識する力です。
それは、人が商品を買う場面を想像することで養われます。
製造コストの積み上げではないのです。
誰でも売れる価値を持っている
「他人から頼まれることがあなたの価値」とちきりんさんは解説します。
それが儲かるかどうかと、価値があるかどうかは別物です。
儲からないというのは、マネタイズが難しいということであって、価値がないということではありません。
マネタイズはノウハウであって本質ではないのです。
重要なのは価値があるかどうかだと、ちきりんさんは強調します。
自分はいつも他人から何を頼まれるのかをしっかり思い出すことで、自分の価値が見えてきます。
また、人が動く理由を考えることも重要だとちきりんさんは述べています。
特にお金以外のところにある、人が動く仕組みを洞察するくせをつけることが大切です。
そのためには、まず自分の欲望に素直になることです。
常識や規制にとらわれずに、欲望に素直になることで、あなたの持っている価値に気づくことができるようになります。
市場から学ぶ
インターネットの普及であらゆるものが市場化していると、きちりんさんは解説します。
そして、今までは大きな組織でなければ参加できなかった市場に、個人が簡単に参加できるようになりました。
個人が市場に参加できるようになった世界での最も効果的な学びは、実際にやってみてフィードバックを得るというやり方です。
組織型は決めて、決めて作り込む、市場型はとりあえずやってみる、というように市場への参加のやり方が大きく変わってきています。
とりあえずやってみることでもちろん失敗もするでしょう。
しかしそれは失敗ではなくチャレンジなのだとちきりんさんは強調します。
最近よく言われるようになった、アウトプット型の学びは、市場の変化によるということがわかりました。
まとめ
本書でフリーランスとして生きていくための、価値の考え方を3つ学ぶことができました。
1つは、価値は変動するもの、2つ目は誰でも価値を持っていること、3つ目は、まずはやってみることが大事、です。
ぼくは25年組織の一員として仕事をしてきました。
組織が提供する価値は、たくさんの人数が多くの時間を積み重ねた商品です。
フリーランスが提供できる価値は、人から頼まれることであり、その価値は市場に参加することで何度もチャレンジして学ぶことがができるとわかりました。
失敗を恐れず、どんどん市場に参加して学びを深めていこうと思います。