糖質制限3年経過の脂質検査結果の考察

2018年9月28日健康診断を受けました。

その脂質検査の結果について考察します。

脂質検査の値については、糖質制限を実施すると特徴的な傾向を示し、一般的な基準値からは外れることがあります。

ぼくの場合は毎年LDLコレステロールが上限をオーバーします。

この点をどう解釈すればよいか、2018年9月2日、 東京で開かれた日本糖質制限医療推進協会 講演会で学んだ内容を元にまとめます。

糖質制限実施の脂質検査値の傾向

江部康二氏は、糖質制限食実践中の人は、HDLコレステロールが多くて、中性脂肪が少なくなると解説しています。

大櫛陽一氏が発表した、KGD(ケトジェニックダイエット:スーパー糖質制限と同様)実施者の16名のデータと、スーパー糖質制限歴16年の江部康二氏のデータを以下の表にまとめました。

江部康二氏2018/6 大櫛氏研究データ
空腹時血糖 mg/dl 106 91
HbA1c % 5.8 5
中性脂肪 mg/dl 49 67
HDLコレステロール mg/dl 94 66
LDLコレステロール mg/dl 144 177
尿酸 mg/dl 3.2 7
糖質制限 スーパー糖質制限16年 スーパー糖質制限16人平均

LDLコレステロール高値でも善玉

特定健診 受診勧奨値として以下の値が決まっています。

  • LDLコレステロール 140mg/dl以上
  • HDLコレステロール 34mg/dl以下

江部氏のデータも、大櫛氏のデータでもLDLコレステロールは上限を超えています。

江部康二氏は、上記講演会では糖質制限実施者に向けて、中性脂肪 60以下 、HDL 70以上であれば 小粒子のLDLはあるはずがないので、LDLが高くてもそれは善玉だと説明しています。

動脈硬化の危険因子となるのはLDLのうち、sdLDLと呼ばれる小粒子LDLです。

正常サイズのLDLは、中に約40%のコレステロールを含んでおり、それを末梢組織に運ぶ真っ当な役割を果たしています。

椋寛之の5年間のデータ

2013 2014 2015 2016 2017 2018
体重 kg 71.5 71 69.6 67.3 64.6 66.9
腹囲 cm 83 83 81.5 76 73 77.1
空腹時血糖 mg/dl 91 75 89 85 68 82
HbA1c % 5.2 5.3 5.3 5.3 5.3
中性脂肪 mg/dl 121 619 76 112 53 54
HDLコレステロール mg/dl 57 46 63 76 94 93
LDLコレステロール mg/dl 134 88 126 153 151 153
尿酸 mg/dl 6.3 6.5 5.3 6 5.9 4.4
糖質制限 なし なし プチ糖質制限 スタンダード糖質制限 スーパー糖質制限 スーパー糖質制限
筋トレ なし なし なし なし 筋トレ自重 筋トレウェイト

2015年からプチ糖質制限を開始し、2017年よりスーパー糖質制限にしました。

江部氏の解説通り、中性脂肪が下がり、HDLコレステロールが上昇しています。

LDLコレステロールも若干上昇していますが、江部氏や大櫛氏のデータと同様の値になっていて、善玉のLDLと解釈することができます。

まとめ

糖質制限を実施すると、血糖値やHbA1cだけではなく、脂質検査値も変化します。

糖質制限を行って、肉類の摂取が多くなったにも関わらず、中性脂肪が劇的に下がります。

これは、中性脂肪が含まれている食品を摂ったからといって、血液中の中性脂肪が上昇するのではないことを示しています。

糖質摂取によってインスリンが作用して、体内で中性脂肪に変化することで、血中の中世脂肪が増加するということを如実に物語っています。

HDLコレステロールは増加し、LDLも若干上昇しました。

これは、善玉のコレステロールが増加していると解釈できます。