『スタンフォード式 最高の睡眠』【レビュー】睡眠のバイブル

西野精治氏の著書『スタンフォード式 最高の睡眠』を読みました。

精神科医でベストセラー作家の樺沢紫苑さんがホームラン本として推薦している本です。

樺沢紫苑さんは、著書や動画で繰り返し、「質のよい睡眠を得るための方法」を、発信しています。

その方法の根拠を、最新の研究をもとにわかりやすく解説しているのが本書です。

本書が強調している3つのキーワードについての感想と、これから身につけたい習慣(To Do)を述べます。

キーワード1「黄金の90分」 『スタンフォード式 最高の睡眠』

西野氏は、眠り始めの90分のノンレム睡眠の質が、睡眠全体の質を大きく左右すると強調しています。

それは、眠りはじめの90分で、1.成長ホルモンが出る、2.睡眠圧が解消される、という2つの理由からです。

また、この90分では、嫌な記憶を消去したり、海馬から大脳皮質に情報が移動したりして、記憶が整理、強化されるという研究結果も出ています。

ではこの「黄金の90分」の質を高めるために、その都度質がどうだったかを振り返ることができるのかどうかという疑問がわきます。

睡眠の質を検査するのは、限られた設備が必要となると、西野氏は述べています。

最近はいろいろな睡眠アプリが出ていますが、レム睡眠がどうかを見分けるにはどれも正確性にはかけると、西野氏は解説しています。

結局は、一番頼りになる情報は、睡眠前後と翌日の日中の「自覚症状」なのだと西野氏は強調します。

朝の目覚めと、日中の集中力やパフォーマンスのよしあしで、「黄金の90分」の質を判断するのです。

ぼくは、Sleep cycle(iPhone)、Sleep Meister(iPhone)、Autosleep(Apple Watch)の3種のアプリを使用して、睡眠を計測しています。

計測結果は、アプリによってそれぞれ特徴があり、同じような結果にはなりません。

あくまでも自覚症状をメインにして、アプリの傾向の結果と照らし合わせて、それぞれのアプリの特徴を把握していきたいと思っています。

キーワード2 体温 『スタンフォード式 最高の睡眠』

西野氏は、スムーズな入眠のためには、深部体温と皮膚温度の差が2℃以下に縮まることが必要で、縮まれば縮まるほどいいと述べています。

西野氏は、深部体温を下げるための2つの方法を提示しています。

1つ目は入浴です。

40℃以上のお湯に、15分以上浸かることで、深部体温が0.5℃上昇します。

それによって、上がった反動で、90分後には深部体温は0.5℃以上下がります。

深部体温を意図的に上げてやることで、逆に深部体温を下げることができるのです。

2つ目は足湯です。

足湯をすることで、血行がよくなり、熱放散が起こって、深部体温が下がります。

足湯の場合は、入浴のように下がるまで90分待つ必要はなく、すぐに効果が現れます。

枕やマットレスなどの寝具も体温に影響を及ぼします。

しかし、西野氏は、室温を整えておかないと寝具の効果を引き出せないと述べています。

まずは室温を整えることが重要なのです。

キーワード3 脳のスイッチ

ブルーライトのせいで、パソコンやスマホは睡眠に影響を与えると言われています。

しかし西野氏は、ブルーライトよりも、PC、スマホの操作による、脳の刺激による影響の方が大きいと強調します。

だから、いくら紙の本や漫画であっても、交感神経を刺激してしまうようなストーリーでは入眠に影響が出てしまいます。

西野氏は退屈なストーリーが好ましいと述べています。

また、睡眠前のルーティンを決めることで、睡眠に入る脳のスイッチが入りやすくなります。

寝間着、寝る場所、照明、室温、音楽などのルーティンを設定すべきです。

身につけようと思う習慣

「黄金の90分」の質を高めるベストな方法は、就寝90分前の入浴です。

しかしぼくは夜の入浴の習慣がなく、長時間の入浴は苦手なため、面倒に感じてしまいます。

かといって足湯は、準備が面倒です。

今日からすぐにできることの1つ目は、寝室の室温を整えることです。

ぼくは今まで、自宅よりもホテルのほうが熟睡できると感じてきました。

それは、室温が一定に保たれているからだと気づきました。

今日から、エアコンは短い間隔のタイマーを使うのではなく、寝ている間中、一定の温度が保たれるように温度、湿度、時間の設定を行ってみます。

室温を一定にした上で、敷布、枕を季節に応じて変えていこうと思います。

2つ目は起床時間を固定することです。

ぼくは、今までは起床時間の固定ではなく、睡眠時間の固定を優先していました。

だから夜にイベントや飲み会があって遅く寝るときは、その分遅く起きるようにしていました。

遅く起きるようにというのは語弊があります。早く起きれないというのが正しいでしょう。

西野氏は、まずは起床時間を固定した上で、入眠時間を固定すべきと解説しています。

起床時間がばらばらであれば、睡眠圧の高まる時間がばらばらになり、入眠時間が固定できにくくなるからです。

入眠時間を固定になれば、「黄金の90分」がパターン化されます。

自分の生活パターンを考えて、日中の活動時間が最大になるよう、起床時間を6時に固定していこうと思います。

まとめ

さまざまな睡眠本をかじってきましたが、本書に書かれていることが、もっとも根拠があって、正しいと思えました。

一番の収穫は、入眠時間と起床時間の固定が大事ということを、あらためて認識したことです。

今までにもこのことは多くの本で学んでいましたが、根拠に乏しかったため、精神論的に感じて、続けることができませんでした。

また室温を整えることが大事だとわかったことも大きいです。

この2点はすぐに実行できる内容なので、取り組みやすいです。